維新派 最後の公演「アマハラ」 フォトレポート & 会見全文掲載
主宰の松本雄吉さんが亡くなり、解散を表明している維新派の最後の公演「アマハラ」が、奈良の平城宮跡にて開催しています。
平城宮跡は20年以上前に、主宰の松本さんが友人から紹介されて以来、そこでの公演を望んでいましたが、これまで許可が下ませんでした。今回、東アジア文化都市に招へいされたことにより、とうとう実現されましたが、それが維新派の最後の公演となるというは運命的でもあります。
今回の「アマハラ」は、2010年に上演した「台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき」の改訂版でもありますが、松本さんは「新作と見まがえるような再演をする」と言っていたように構成は大きく変わっています。
舞台は、「海なし県に船が来たら面白いんとちゃうか」と、草原に巨大な廃船が作られました。維新派最大級の大きさの舞台はそれ自体がアート作品と言えるほどの存在感があります。
内容は20世紀初頭、繁栄を求めてアジアの島々を目指して進出していったものの、第二次世界大戦によって全てが滅んでしまった日本人たちの記憶が、船・航海という時間の流れのメタファーのような舞台上で展開されます。
金色に輝く草原に向かう廃船の演出は圧巻で、まるで維新派のそれぞれが新しい大海原への旅立ちを表しているようにも思えます。
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