両大戦間期と言われる1920~30年代のフランスでは、美術や、ファッション、宝飾、家具などの装飾に新しい美意識が生まれました。本展は、「アール・デコ」と呼ばれるこの時代の装飾スタイルにおける新しい時代感覚すなわち「モダン」の源の一つとして、「エキゾティック」な要素に着目したものです。
20世紀初め、ファッションに革命をおこしたポール・ポワレによる中近東やアジアを着想源とした衣服、1922年のツタンカーメン王墓の発見を機とするエジプトブームを反映したジュエリー、漆芸家の菅原精造に学んだジャン・デュナンの工芸品、あるいは東洋に倣った陶磁器など、アール・デコの作品では形、素材、技術の面において、非ヨーロッパ圏の芸術を応用した作例が見出されます。
この時代の異国は、夢見るものから自ら赴く場所へと変化していました。シトロエンによるアフリカ縦断・アジア横断クルージング、植民地での美術学校創設、留学奨励などにより現地に取材した芸術家たちが、ダイナミックな絵画、彫刻を生み出します。パリでは、アメリカの黒人歌手・ダンサーのジョセフィン・ベイカーの活躍や、1931年の「国際植民地博覧会」開催、珍しい動物がもたらされた動物園の人気など、エキゾティックで活力あるシーンが都市を賑わせました。
本展では、フランス所蔵の国内初公開作品を含む、衣装、ジュエリー、家具や工芸品、雑誌・ポスター、彫刻、絵画など、国内外の作品約90点を通して、アール・デコにおける異境への眼差しを見ていきます。
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開催概要
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会 期:2019年1月22日(火)~3月31日(日)
会 場:群馬県立館林美術館
時 間:9:30~17:00
*入館は 16:30
休 館:月曜日(ただし2月11日は開館)、2月12日(火)
料 金:一般1,500(1,300)円、大学・高校生1,000(800)円、中学・小学生500(300)円一般820円(650円)、大高生410円(320円)
*( )内は20名以上の団体割引料金
*中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
■関連イベント
◯記念講演会「アール・デコとエキゾティシズム」(仮題)
講師:関 昭郎氏(東京都庭園美術館事業企画係長)
日 時:3月3日(日)14:00~15:30
会 場:講堂
料 金:無料
*申込不要、先着130名
◯学芸員による作品解説会
日 時:1月27日(日)、3月13日(水)14:00~(約40分)
会 場:展示室
料 金:要観覧料
その他イベント情報や詳細についてはオフィシャルサイトをご確認ください。