アートブロガーのSeina Morisakoです。第一話を読んでくださったみなさん、赤ちゃんと一緒にアートなお出かけって実はそんなに難しくないということが分かって頂けましたか?そうです。美術館にチケットを買って静かに全部見なくてもアートなお出かけは可能なんです。どうでしょう?もうお出かけ頂きましたか?
赤ちゃんとお出かけするとこんなこと言われませんか
思い切ってやってみると、赤ちゃんと一緒にアートなお出かけをすることって案外簡単であることがすぐわかると思いますし、そして何より連れていく大人が楽しいことに気づけると思います。そうなんです。「子供と一緒にアートなお出かけ」は実は一緒に行く大人も楽しいのです。しかし、子育てにおいて新しいことに挑戦すると出てきませんか?こんなことを言う人。
「赤ちゃんと公園と家と児童館に行っていればいいのよ」
「赤ちゃん連れで美術館なんて行ってどうするの?他のひとに迷惑でしょう」
「そもそも、行っても赤ちゃんは覚えていないでしょ」
「(美術館に行きたいなんて言う)大人のわがままであかちゃんを振り回してかわいそう」
これは美術館に限ったことではないと思います。子育て中の人が赤ちゃんとの生活において「新しいこと」をやろうとすると静止しようとする人って「必ず」いますよね。
だれのためとかそういうのもう止めませんか
確かに、不安になりますよね。
「あかちゃんが覚えているわけないのに、これって自己満足。。。?」
ご安心ください。自己満足だっていいじゃないですか。一緒にいる大人が楽しい方が、赤ちゃんも楽しいに決まってます。それに連載の第一話でもお伝えしましたが、赤ちゃんと美術鑑賞するということは、展覧会に入場料を払って行くことだけではないのです。赤ちゃんと一緒に美術館のフリースペースやパブリックアートを楽しむこと。それだって立派なアートなお出かけです。
思い出を思い出す時は大人が決めることではない
確かに赤ちゃんはその時にでかけた場所、どんな展覧会に行ったか。それはさすがに覚えていないでしょう。でも、ママと一緒に美術館の外で撮った写真や、ミュージアムカフェで食べたスイーツの写真、フリースペースで絵はがきと一緒に撮った写真などがあったらどうでしょう?赤ちゃんは成長した時にたくさんの質問をしてくれると思いませんか。
息子が赤ちゃんの時、私たちは川崎の岡本太郎美術館に何度か出かけました。住んでいた場所からは遠方でしたが岡本太郎美術館は自然が隣接し、公園スペースも広く、そして平日は集客がそれほど多くなかったので万が一子供が泣いたりしても大丈夫だと思ったからです。
岡本太郎作品は赤ちゃんにもダイレクトに届くようなパワーがあったようで、いつも比較的ご機嫌で過ごしてくれました。
そして時は流れて幼稚園児になった時、私たちは再び岡本太郎美術館を訪れました。
入り口横には撮影可能なとても特徴的な手の形をした椅子の作品があります。「あなたは赤ちゃんの時、この作品をみて「てー!てー!」」と言ったのよ」と何気なく話したら、息子の目の色が変わりました。
「その時、僕は他になんて言ったの?」
「その時おかあさんはどう思ったの?」と質問ぜめ。
途中で入ったカフェでは、
「その時僕はここで何食べた?」
「お母さんは何食べた?」
そして帰る時は
「小学生になったとき、またここに来たら今日のことをどんな風に思い出すかな?」
と目をキラキラさせながら話していました。
私は展示を息子と一緒に観たことも楽しかったけど、息子の質問が何よりも嬉しかったです。目の前にあるアート作品を見て「過去の自分と繋がるってこう言うことなのか!」と感じることができました。
この子が成長して彼女が出来て、そして結婚して親になり、その子と一緒にまた岡本太郎美術館に来て「小さい時にこの作品を見たんだよ」「その時こんなことが起きたんだよ」と語りかけたらなんて素敵なんだろうとワクワクしました。
未来のためにさあ出かけてみよう
私は改めて思います。
私たちは現在シンガポールに住んでいるので、息子は将来日本以外の国で成長し、学び、そして新しい生活をする可能性が高いでしょう。
その時、その国に岡本太郎の展覧会が開催され、彼が家族と行ったら彼は奥さんや子供たちにどんな言葉で、どんなことを話すのでしょう?
赤ちゃんと美術鑑賞は誰のため?と問われたらそれは赤ちゃんと私、つまり私たち家族の未来のためと声を大にして答えましょう。
赤ちゃんと一緒にアートなお出かけは今だけはなく、未来に続いているのです。
10年目突入!
子連れアート鑑賞日記
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川崎市岡本太郎美術館
http://www.taromuseum.jp/