熊谷守一

花鳥虫魚を描く ― 応挙・広重・シーボルト ―

ARTLOGUE 編集部2019/04/04(木) - 02:31 に投稿
所蔵品の中から、動物や植物など生きものの姿や形をとらえた絵に着目して、浮世絵版画も含めた江戸時代以降の日本の絵画と、19世紀以降のヨーロッパで制作された版画を選び、両者を同時にご覧いただく、当館として初めての展覧会です。日本の絵画は、円山応挙の写生図をはじめ、葛飾北斎や歌川広重など著名な絵師が描いた浮世絵版画と、熊谷守一や高間惣七の油彩による現代の静物画を展示します。 ヨーロッパの版画は、シーボルトが出版した『日本動物誌』と『日本植物誌』から手彩色による石版画を展示し、同時期に出版されたイギリスの野生植物図譜やアジアの鳥類図譜も紹介します。 ※会期中展示替え有り。 前期:4月14日(日)~5月6日(月・振) / 後期:5月8日(水)~6月2日(日) ※重要文化財「枯木鳴鵙図」宮本武蔵筆は、前期(4/14~5/6)に展示します。 ※特別出陳 国宝「青磁 鳳凰耳花生 銘万声」は、全期間展示します。

いつもそばにいてくれるわたしのねこ、アートになる

アカギマキコ2018/03/31(土) - 21:39 に投稿

10数年前に比べると、猫好きを公言する人がとても増えたような気がします。
猫の動画や写真に人気が集まったり、街のいたるところに猫と触れ合えるカフェが見られるようになったり、猫グッズに至っては犬グッズを席巻する勢いです。
TVCMでも猫がキャラクターとして目立つものが明らかに増えています。

ネズミ捕りの能力を買われて人間と共存するようになった猫ですが、今や近すぎず遠すぎず、いてほしいときに側にいてくれる癒しの存在としての価値を感じる人が多くなっているようです。猫好きが増えたというよりも、猫が好きであることを堂々と言えるようになった、ということなのかもしれませんね。

今回は猫好きにおすすめの展覧会とともに、日常の中の猫を表現した熊谷守一(くまがいもりかず)(1880~1977)の絵をご紹介したいと思います。 


猫の国の猫アートで猫にまみれる至福のひとときを

3月29日(木)から、ホテル雅叙園東京では猫好き必見の「猫都(ニャンと)の国宝展at百段階段~猫の都の国宝アート~」が開催されます。

熊谷守一美術館 収蔵作品展

ARTLOGUE 編集部2017/12/20(水) - 16:28 に投稿
「アゲ羽蝶」 1976年 豊島区立熊谷守一美術館蔵

 

来年4月1日(日)まで豊島区立 熊谷守一美術館では、特別企画〔熊谷守一美術館 収蔵作品展〕が開催されます。常設の第1・2展示室のほか、3F貸ギャラリーも第3展示室とし、油彩29点を含む110点程の熊谷守一作品を鑑賞できます。公開する機会の少ない収蔵作品(クレパス画・鉛筆画)が展示され、この特別展にあたり個人の所蔵家から借用した油彩「野菜」「百日草」「仏画下絵」3点(岐阜県美術館寄託)も見られます。 

熊谷守一美術館は、熊谷守一が晩年45年間家族と暮らした家の跡地に建っています。熊谷守一の没後、1985年に二女である熊谷榧(現館長)が設立し、2007年には豊島区立となりました。収蔵作品は、熊谷守一のアトリエに残されていた数点の油彩と、ご好意で寄贈を受けたものが中心とのこと。旧熊谷邸のなごりは前庭のケヤキ1本ですが、不思議と熊谷守一を感じられる美術館です。

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび

ARTLOGUE 編集部2017/12/06(水) - 09:06 に投稿
熊谷守一 《雨滴》 1961年 愛知県美術館 木村定三コレクション

 

97年、自分の思うままに 生き、描いた画家の軌跡


没後40年を記念して、画家、熊谷守一(1880‐1977)の回顧展を開催します。

熊谷守一は、明るい色彩と単純化されたかたちを持つ作風で知られます。晩年は花や虫や鳥など身近なものを描きたくさんの作品を生み出しました。飄々(ひょうひょう)とした味わいを持つエッセイでも知られ、『へたも絵のうち』(原著は1971年、現・平凡社ライブラリー刊)は、現在もロングセラーの文庫となって若い層にも読み継がれています。

その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、若い時期から晩年までの制作を詳しくたどると、暗闇や逆光など特殊な条件下でのものの見え方を探ったり、スケッチをもとに同じ図柄を複数の作品に用いる方法をつくり上げたりと、さまざまな探究の跡が見えてきます。穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。