仏画

春期特別展「ほとけの手―黙して大いに語る―」

ARTLOGUE 編集部2019/04/19(金) - 02:31 に投稿
「ほとけの手」は雄弁です。仏の身体的な特徴、いわゆる「三十二相」にも「手」に関係する項目があり、しばしば造形に反映されてきました。また両手十指で様々な形を構成する「印相」は、尊名を判別する指標として、あるいは仏尊の行為や教えを示す象徴として、ご存知の方も多いのではないでしょうか?音声を伴わない仏像・仏画にあっては、まさしく「口」以上にものをいう部位といっても過言ではありません。 本展では、「ほとけの手」に込められた思想を紐解きながら、御手の表現に眼を向けます。優しくさしのべられた手、太くたくましい腕、繊細な指先など、拝観者(とりわけ教義に精通しえない一般・在家者)にとって、御手の表情は視覚にうったえる大きな要素であったでしょう。例えば、今回の展示でご紹介する、仏像の手や腕の部材のみが奇跡的に護持された遺例にも、思いがけない風格や魅力を感じることができます。 「ほとけの手」をめぐる思想と造形、少しマニアックな宗教文化の世界をぜひご堪能ください。

美の饗宴 若冲と祈りの美

ARTLOGUE 編集部2019/04/05(金) - 02:31 に投稿
今春、開館21周年を迎える細見美術館は、新しい時代の幕開けに臨み、細見コレクションの原点、若冲と宗教美術の展覧を行います。江戸時代絵画を代表する絵師として知られる伊藤若沖(1716~1800)。彼の精緻な彩色表現や自山闘達な水墨画風は、生きとし生けるものの姿を独自の視点で捉え、瑞々しい絵画世界を創り上げました。初期の代表作「糸瓜群虫図」をはじめ、館蔵の若沖作品の数々にその魅力を探ります。 一方若沖と並び、蒐集において特に情熱を傾けたのは宗教美術でした。仏像や仏画はもとより、神仏習合を物語る作品にも広く関心を寄せ、人々から祈りの心を託された諸像や荘厳具に気高い尊さを見出したのです。重要文化財「刺繍大日如来像」、同「線刻十二尊鏡像」などいずれも小品ながら、隠やかな仏の笑みは今もなお、人々に美しく生きる心の在りようを示すかのようです。 若沖と宗教美術、両者に通じるのは表現対象に真撃に向き合い、美に昇華させた作り手の崇高な精神ではないでしょうか。自然や神仏への敬意、それを見事に造形化した日本美術の豊かさをご堪能ください。

国宝の殿堂 藤田美術館展-曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき-

ARTLOGUE 編集部2019/01/23(水) - 02:34 に投稿
本展覧会は、2022年春のリニューアルオープンに向けて、現在休館している藤田美術館の国宝9件、重要文化財約50件を含むコレクションの全貌を奈良国立博物館新館の全展示室を使って紹介するかつてない規模の展示となります。 展覧会開催に際して総合的な学術調査も行い、その成果も紹介します。 世界に3碗しか現存しないといわれている国宝の「曜変天目茶碗」をはじめ、「玄奘三蔵絵」や「仏功徳蒔絵経箱」など奈良ゆかりの仏教美術を中心に、館外初公開を含む多彩なコレクションを通じ、膨大な私財を投じて文化財の保護に尽力した藤田傳三郎らの功績にも光を当てていきます。

長谷川等伯展 〜屏風・襖-大画面作品を中心に〜

ARTLOGUE 編集部2019/01/15(火) - 10:47 に投稿
能登七尾出身で桃山時代に大活躍した絵師・長谷川等伯(1539~1610)は、京都移住後の50歳以降の時期を中心に、彩色画・水墨画の双方で数多くの「大画面作品」を制作しました。 ​​​​​​​今回で24回目の開催となる「長谷川等伯展」は「大画面作品」がテーマ。等伯晩年期制作の水墨による屏風や襖を中心に、若年期制作の仏画や「長谷川派」絵師による絵画もあわせ、作品や資料など計21点を紹介します。 等伯入魂の名品たちをぜひともご鑑賞ください。