IZU PHOTO MUSEUM

アートは心のサプリメント ~クレマチスの丘でアートダイエット~

羽田沙織2016/11/26(土) - 23:15 に投稿

心が弱っている時、アートは絶好の語り相手です。
仕事がうまくいかない時、失恋した時、人生悩んでいる時、
私は必ず音楽を片手に一人でアートに会いに出かけます。
今回は、静岡県の三島駅から車でおよそ25分。クレマチスの丘で、動植物と静かに語らい、まるで1本の映画を観たかのような写真に触れ、悲哀に満ちたベルナール・ビュフェの世界にどっぷりと浸るアートダイエットをしてきました。

そうです。アートダイエットができるのは、芸術祭だけではありません。
1か所訪れるだけで、アートダイエット(アートに会いに行くことを目的に、1日1万歩を目指して歩くダイエット)ができちゃう美術館はたくさんあります。
クレマチスの丘には、美術館が3館と文学館が1館あり、一度に4館楽しむことができるのです。
ここで半日たっぷり楽しむコースは一体何歩になるでしょうか。アートダイエットスタートです♪

 

没後20年 特別展 星野道夫の旅

ARTLOGUE 編集部2018/08/06(月) - 11:31 に投稿

1978年にアラスカに移り住み、20年近くにわたり極北紀行を重ねた星野道夫(1952-1996)。大自然が見せる多様な姿をカメラで追い続けると同時に、言葉により思索を深めた星野が残した仕事は、今日まで多くの人々を魅了し、変遷する自然と文明の関係を問いかけ、現代に生きるとは何かを改めて考えさせます。

本展では、ありのままの自然の姿が写し取られた「マスターピース」から、過酷な環境下で脈々と続く「生命のつながり」、極北に暮らす人々の精神性が見出された「神話の世界」まで、星野の写真と言葉による物語の世界が展示空間に立ち現れます。加えて、現地の取材で使用されたカメラやカヤック、貴重な記録映像や自筆原稿などの資料を展示し、星野が伝えたかった極北の世界へとみなさまを誘います。

目に見えるものに価値を置く社会と、見えないものに価値を置くことができる社会の違いをぼくは思った。そしてたまらなく後者の思想に魅かれるのだった。夜の闇の中で、姿の見えぬ生命の気配が、より根源的であるように。
『森と氷河と鯨』(世界文化社)より

永遠に、そしてふたたび

ARTLOGUE 編集部2018/02/03(土) - 16:06 に投稿
横溝静《Forever (and again)》、2003、ヴィデオ・インスタレーション 
© Shizuka Yokomizo © GEIJUTSU SHINCHO photo: Tatsuro Hirose,  Courtesy of Wako Works of Art

 

この度IZU PHOTO MUSEUMでは、当館のコレクション作品を中心とした企画展「永遠に、そしてふたたび」を開催いたします。私たちは日々、多くの人と出会い、ときに死をもって離別します。ひとりの生や死にかかわらず連綿と続く時間の流れに、私たちは抗うことができず無力感を抱くかもしれません。しかし人の心の奥底に深く刻まれた記憶は、ひとつの生命が途絶えても、残された人々に受け継がれ、新たな意味をもたらされながらふたたび生き続けます。流れ続ける時間のある一瞬の出来事をとらえる写真は、過去の集積を写し出し、記憶としての物語を観者にふたたび想起させるものでもあります。横溝静、野口里佳、川内倫子、長島有里枝、テリ・ワイフェンバックの5名の現代作家による作品は、時間と記憶のつながりや永続性について思考する手がかりを私たちに与えてくれることでしょう。

澤田教一 故郷と戦場

ARTLOGUE 編集部2017/10/18(水) - 02:05 に投稿

1936年に青森市に生まれた澤田教一は、米軍三沢基地での勤務を経て、1965年に戦火の絶えないインドシナ半島に赴きました。ベトナム戦争が拡大の一途にあった時期に最前線での撮影を続けた澤田は、34歳で銃弾に倒れるまでの約5年間に、数々の傑作を世に送り出し賞を受賞します。ピュリツァー賞受賞作に含まれる《安全への逃避》(画像左下の中央)では、戦闘で故郷を追われながらも、必死に生き抜こうとするベトナムの人々の姿を捉え、世界中に戦場における過酷な現実を突きつけました。
本展では未発表のカットを含む写真や戦地から送られた電送写真原稿など約300点を展示いたします。写真に写し出された故郷と戦場、そこに交錯する生と死を通じて、澤田教一が身を賭して伝えようとしたベトナム戦争に迫ります。「アメリカの戦争」について考えるよき機会となれば、幸いです。

 

澤田教一 故郷と戦場 フォトギャラリー

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