アール・デコ
エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し
両大戦間期と言われる1920~30年代のフランスでは、美術や、ファッション、宝飾、家具などの装飾に新しい美意識が生まれました。本展は、「アール・デコ」と呼ばれるこの時代の装飾スタイルにおける新しい時代感覚すなわち「モダン」の源の一つとして、「エキゾティック」な要素に着目したものです。
20世紀初め、ファッションに革命をおこしたポール・ポワレによる中近東やアジアを着想源とした衣服、1922年のツタンカーメン王墓の発見を機とするエジプトブームを反映したジュエリー、漆芸家の菅原精造に学んだジャン・デュナンの工芸品、あるいは東洋に倣った陶磁器など、アール・デコの作品では形、素材、技術の面において、非ヨーロッパ圏の芸術を応用した作例が見出されます。
この時代の異国は、夢見るものから自ら赴く場所へと変化していました。シトロエンによるアフリカ縦断・アジア横断クルージング、植民地での美術学校創設、留学奨励などにより現地に取材した芸術家たちが、ダイナミックな絵画、彫刻を生み出します。パリでは、アメリカの黒人歌手・ダンサーのジョセフィン・ベイカーの活躍や、1931年の「国際植民地博覧会」開催、珍しい動物がもたらされた動物園の人気など、エキゾティックで活力あるシーンが都市を賑わせました。
北澤美術館所蔵 ルネ・ラリックの香水瓶―アール・デコ、香りと装いの美―
20世紀初め、香水が一般の人々に広がるにつれ、香水メーカーは競って美しいデザインの香水瓶を求めるようになりました。宝飾作家として活躍していたフランスのルネ・ラリック(1860~1945)は、香水商フランソワ・コティから依頼され、ガラスの香水瓶を制作し始めます。ラリックの香水瓶はその優美なデザインにより、瞬く間に人気を集めました。ラリックは以降、ガラス工芸家に転向し、20世紀初頭のモダンな様式、アール・デコを代表するデザイナーとなりました。
同じころ、ファッションにも大きな変化がありました。服飾デザイナーのポール・ポワレ(1879~1944)がコルセットを使用しないドレスを発表したことを機に、従来のボリュームを強調したシルエットから、より活動的で、体に沿ったデザインに変化しました。
本展では、ガラス工芸コレクションで世界屈指の質、量を誇る北澤美術館の所蔵品から、ラリックが手掛けた香水瓶を中心に、アクセサリーやパフューム・ランプ、化粧品容器などを紹介します。あわせて神戸ファッション美術館の協力により、アール・デコの装いを代表するドレスやファッション・プレート(ファッション誌を飾った手彩色の版画)を展示します。
マドンナやジャック・ニコルソンも大ファン?美貌のアーティスト、タマラ・ド・レンピッカ:アートをおしきせ 20180516
自分自身のプロデュース能力にも長けていたタマラ・ド・レンピッカ。女優のような美しい姿がいくつもの写真に残されています。
今日の「Google Doodle」、あれっと思うとやはりタマラ・ド・レンピッカ(Tamara de Lempicka, 1898~1980)でした。アール・デコの画家として知られる彼女の絵は一目みてそれとわかるスタイルがあります。
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