建築倉庫ミュージアム

Nomadic Rhapsody-“超移動社会”がもたらす新たな変容-

ARTLOGUE 編集部2018/11/02(金) - 21:17 に投稿

【本展イントロダクション】
文化は人々の移動によって生まれ、育まれてきました。大航海時代を経て欧州諸国の東南アジア進出により流行したシノワズリとロココの融合、植民地への旅が発想の種となったポスト印象派と様々な表現主義、亡命のために海を渡ったシュルレアリスム、アメリカ大陸を縦断したブルースやジャズ。建築文化もまた、長い歴史の中で人々の移動による交流が起こり、地域間で相互に影響を受け合ってきたと言えます。
デラシネの時代、コンピューターが生活の中心になり、世界への扉が身近になった一方で、地域の不平等や格差、言語多様性の衰退は広がり、地球温暖化、気候擾乱や大地の震えは人々の生活を脅かし、人災によっても人種や民族の離散が起こっています。海外、とりわけアジアと呼ばれる地域で個々に生じているさまざまな事象は、日本が抱えている課題と共通してはいないでしょうか。それらは互いに関連付けられないものでしょうか。建築模型を通じ、その共通点や関連性を是非ご自身の目で発見ください。

【本展の見どころ】
・ファッションデザイナーやアーティストとコラボを手がける小嶋伸也・小嶋綾香(小大建築設計事務所)による複数のプロジェクトを紹介。

新素材研究所・ -新素材×旧素材-

ARTLOGUE 編集部2018/10/29(月) - 00:33 に投稿

寺⽥倉庫(東京都品川区代表取締役:中野善壽)が運営する建築倉庫ミュージアムは、2018年10月21日(日)から2019年1月14日(月・祝)まで、企画展『新素材研究所・-新素材×旧素材-』を開催します。

本企画展は、世界的に活躍する現代美術作家杉本博司が建築家榊⽥倫之と共に2008年に設立した建築設計事務所「新素材研究所」の10年にわたる活動を、建築模型・写真、そして新素材研究所の使用する特徴的な古材や道具、素材等の展示を通してご紹介するものです。

『旧素材こそ最も新しい』という理念のもと、古代や中世、近世に用いられた素材や技法を、現代にどう再編して受け継いでいくかという課題に取り組む新素材研究所は、カタログからは建材を選ばず、骨董から産業資材まで独自の視点で見立てた素材を日頃から集め、それらを設計に生かし、空間を作っています。そのデザインは、素材の良さを最大限に引き出すための伝統的な職人の技術と最新技術とを融合させ、現代的なディテールで仕上げられます。

展覧会タイトルの読み方は「しんそざいけんきゅうじょてん -しんそざい×きゅうそざい-」。「・」は「展」と新素材研究所設立10周年の「10」をかけています。新素材研究所の活動の軌跡を振り返る本企画展にご期待ください。

UNBUILT:Lost or Suspended

ARTLOGUE 編集部2018/08/09(木) - 19:42 に投稿
建築倉庫ミュージアムにて、2018年8月4日(土)から10月8日(月・祝)、建築模型をオンラインで預かる世界初のWEBサービス「ARCHI-DEPOT ONLINE」で保管する作品をはじめとする複数の建築家による、アンビルト建築作品を展示します。

「建築」への眼差し -現代写真と建築の位相-

ARTLOGUE 編集部2018/08/09(木) - 19:43 に投稿
杉本博司「サヴォア邸」(建築家:ル・コルビュジエ)(c)Hiroshi Sugimoto/Courtesy of Gallery Koyanagi


発明家ニセフォール・ニエプスによって撮影された世界で最初の写真が、作業場の窓から見える納屋と鳩小屋であったように、19世紀に誕生した写真は当初から建築と強く結びついていました。特に20世紀の近代建築運動では、多くの建築家が自らの建築を社会に認知させ、その運動を推進する手段として写真を重視していました。そこで強調されたのは、写真が有する記録媒体としての透明性であり、この傾向は今日でも建築ジャーナリズムを中心として大量に生産・消費される建築写真に受け継がれています。その一方で、そうした建築写真とは微妙に異なる立ち位置から建築に関心を示す写真家や現代美術家がいます。