奥能登国際芸術祭

角文平個展「The garden / Secret room」がアートフロントギャラリーにて開催中!軽さと重みの共存、現代社会の見えない矛盾や不条理を明るくポップに表現

ARTLOGUE 編集部2021/06/01(火) - 15:33 に投稿

角文平の個展「The garden / Secret room」がアートフロントギャラリーにて5月21日(金)より開催中です。

角は1978年福井生まれ。瀬戸内国際芸術祭2013, 奥能登国際芸術祭2017など国際展にも名をつらね、将来を期待される作家のひとりです。「sanwacompany Art Award / Art in The House 2020」ではグランプリを受賞しています。

彼の作品の本質は日常に在るありふれたものをパズルのように組み合わせることで、本来の物が持つ機能や内容をずらし、新たな意味を生じさせることにあります。角が用いる道具や物はごくありきたりの日常の一部のように見えつつも、そこには我々が日常を「こうである」と信じている姿が投影されており、実物と並べたとき、はじめてそれが社会によって植え付けられた思い込みに過ぎないことに気付かされます。

この驚くべき状況は、1ミリの妥協も許さないような職人かたぎな角のモノづくり技術の高さがあってこそ。技術の高さに柔軟な発想力と遊び心が合わさることで、作品はユニークになり実に多様な展開を見せています。

奥能登国際芸術祭2017

ARTLOGUE 編集部2017/10/01(日) - 23:22 に投稿

芸術祭開催によせて

総合ディレクター 北川フラム

 

奥能登・珠洲は、能登半島の先端に位置し、周囲を日本海に囲まれた農山漁村です。黒潮(暖流)、親潮(寒流)がぶつかり、大陸からの季節風が海の水蒸気を含んで雨を降らし、外浦(北側)と内浦(南側)を有する独特の地勢も重なって、東西の植生が共存する豊かな植物・生物相につながっています。遣唐使、渤海使、北前船など、かつて日本海を舞台とした海上交易が盛んだったころ、さまざまな船が立ち寄り栄えましたが、海運から陸運に交通体系が変わったことで半島の先端という立地が弱点となり、過疎化が進行してきました。1954年に市制が施行した当時38,000人の人口は、現在では15,000人となっています。

珠洲は今までの価値観では日本列島のさいはての土地です。しかし日本各地の生活文化が集積し、そのあらわれである祭りはキリコ、曳山やヨバレの風習として今も残る日本文化の源流が湧き出ずる場所でもあります。それは今の時代、逆に希望のありかとしての特異点になるものです。