ジュゼッペ・アルチンボルド

花も実もあるイタリア野菜:ズッキーネとカボチャ

井澤佐知子2018/06/07(木) - 17:02 に投稿
ジョヴァンナ・ガルツォーニ《Still life with pumpkin flowers and vine leaves》制作年不明、羊皮紙にグアッシュ画法、25× 33.5 cm、プライベート・コレクション
[Public domain], via Wikimedia Commons


アメリカ大陸の発見とともにヨーロッパにもたらされたウリ科の果菜ズッキーニ。イタリアは、ヨーロッパでも特にズッキーニを愛する国として知られています。ローマ以南では主に〈ズッキーネ〉で親しまれており、私も馴染みのある呼称〈ズッキーネ〉を使いたいと思います。

庶民の食生活に密着しているズッキーネ、実の部分だけではなく花も食用としてよく調理されます。ヨーロッパにもたらされて早くも20年後には、ラファエロの弟子によって絵画に描かれたウリ科の野菜たち。その楽しい逸話をご紹介いたしましょう。


神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展

ARTLOGUE 編集部2018/01/31(水) - 01:29 に投稿
ジュゼッペ・アルチンボルド 《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》 1591年、
油彩・板、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden

 

神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2 世の驚異の世界展

-天文、博物、そして芸術-

究極の趣味人のワンダーランド

 

プラハに宮廷を構え、神聖ローマ帝国皇帝として君臨したハプスブルク家のルドルフ2世(1552-1612)は、稀代の収集家として、また芸術の庇護者として知られています。16 世紀末から17 世紀初頭、彼の宮廷には世界各地から優れた人物たちが集結し、芸術作品、あるいは科学機器などのあらゆる優れた創作物、更には新たに発見された珍奇な自然物などが集められ、文字通り「驚異の部屋」と呼ぶべき膨大なコレクションが形成され、当時のヨーロッパの芸術文化の一大拠点ともなりました。

アルチンボルド展

ARTLOGUE 編集部2017/10/01(日) - 23:37 に投稿

奇想の宮廷画家アルチンボルド。謎が謎を呼ぶ、思考のラビリンスへようこそ。

 

ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア・ミラノ生まれの画家です。
自然科学に深い関心を示したマクシミリアン2世、稀代の芸術愛好家として知られるルドルフ2世という神聖ローマ皇帝たちに寵愛されたアルチンボルドは、歴史上でもひときわ異彩を放つ、宮廷の演出家でした。そんな「アルチンボルド」の名は何よりも、果物や野菜、魚や書物といったモティーフを思いがけないかたちで組み合わせた、寓意的な肖像画の数々によって広く記憶されています。奇想と知、驚異と論理とが分かちがたく交錯するそれらの絵画は、暗号のようにして豊かな絵解きを誘い、20世紀のシュルレアリスム以後のアーティストたちにも、大きな刺激を与えました。
本展は、世界各地の主要美術館が所蔵するアルチンボルドの油彩・素描(帰属作品を含む)計30点を中心に、およそ100点の出品作品により、この画家のイメージ世界の生成の秘密に迫り、同時代の文脈の中に彼の芸術を位置づけ直す試みです。日本で初めて、アルチンボルドのユーモアある知略の芸術を本格的にご紹介するこの機会を、どうかご期待ください。