横浜美術館コレクション展

ARTLOGUE 編集部2018/10/28(日) - 20:19 に投稿

2018年7月14日(土)開幕の横浜美術館コレクション展は、会期の重なる2つの企画展「モネ それからの100年」「駒井哲郎―煌(きら)めく紙上の宇宙」と関連し、「モネ それからの100年展に寄せて」と「幻想へのいざない   駒井哲郎展をきっかけに」の2つのテーマで構成します。

 

クロード・モネ(1840-1926)が活躍した同時代の日本では、チャールズ・ワーグマンなどが来日して外国人の視点で日本の風景や風俗を描いた一方、高橋由一や五姓田義松(ごせだよしまつ)など、ワーグマンに西洋のものの見方や絵画技法を学び、対象を忠実に描く画家たちが現れるなど、東西交流による新しい美術が生まれていました。

小林清親(こばやしきよちか)は、文明開化の街を題材に、西洋の遠近法や陰影法を取り入れて浮世絵版画に新境地を拓き、開港間もない横浜から発した宮川香山(みやがわこうざん)の「真葛焼(まくずやき)」は、世界各地の万国博覧会に出品され高い評価を得ました。近代化への活力あふれる時代の日本の美術の一端をご紹介します。
 

小林清親 《東京新大橋雨中図》 1876(明治9)年 多色木版 21.5×33.2cm 加藤栄一氏寄贈 (セクションⅠ)
小林清親 《東京新大橋雨中図》 1876(明治9)年
多色木版 21.5×33.2cm 加藤栄一氏寄贈 (セクションⅠ)


また、モネら印象派の絵画における筆触分割の革新性にも着目しました。のちに筆触や筆の勢いのある動き(ブラッシュ・ストローク)は、表現手段として画家たちの重要な要素となります。抽象画を始め戦後に制作された絵画を中心に、筆触が豊かで力強い画面をもたらす要素であったことをご覧いただきます。

さらに、今回の「モネ それからの100年」展が、モネの「遺産」に焦点を当てている点に関連させて、古典絵画や既存の作品、あるいは衆知のイメージを積極的に自作に取り入れて自らの解釈で再構成し、オリジナルのイメージを転化させ  て新たな表現を導いている作品を採りあげました。既成のものの見方に揺さぶりをかける美術家たちの意欲作をご紹介します。
 

一方、駒井哲郎は、深い精神性と幻想性をたたえた世界を現出させた銅版画家です。駒井哲郎の世界に関連させた、もう一つのテーマは「幻想へのいざない   駒井哲郎展をきっかけに」です。夢幻的な花などをモチーフとする近藤弘明(こうめい)の作品など、主に現代日本画を中心に、幻想性に満ちた作品群をご覧いただきます。

 

写真展示室は、モネと同時代のフランス写真を特集します。
当時のフランスの風景、都市の景観や風俗を捉えた、ウジェーヌ・アジェ、ロベール・ドマシーらの写真をお楽しみください。
 

 

 

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開催概要
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会 期:2018年7月14日(土)~12月16日(日)
会 場:横浜美術館
時 間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
*11月23日(金・祝)は20:30 まで
休館日:木曜日
料 金:一般500(400)円 、大学・高校生 300(240)円 、中学生 100(80)円  、小学生以下無料
*( )内は有料20名以上の団体料金(要事前予約)
*2018 年11月3日(土・祝)は観覧料無料
*障がい者手帳をお持ちの方と介護の方(1 名)は無料
*毎週土曜日は、高校生以下無料(生徒手帳、学生証要提示)
*企画展観覧当日に限り、企画展の観覧券でコレクション展も観覧可
*毎月第3月曜日は横浜市在住の65歳以上の方無料(「濱ともカード」要提示)

■関連イベント
◯学芸員やエデュケーターによるギャラリートーク
日 時:11月9日、11月23日、12月14日いずれも金曜日、14:00~14:30
会 場:コレクション展展示室
料 金:無料(事前申込不要、当日有効の観覧券が必要)
 

開催期間
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画像
近藤弘明 《寂夜》 1966(昭和41)年 紙本着色 124.2×160.2cm 作家寄贈 (セクションⅣ):「横浜美術館コレクション展」横浜美術館
展覧会ジャンル
展覧会
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