独特の歴史的背景を持って揺れ動く街・香港を出自とするリー・キットは、アートという開かれた表現を通して自身のあり方を問い、自分が今を生きる世界と向かい合おうとしています。そして、展覧会を開催する場合、その街、その場所の空気や感情に静かに寄り添い、サイトスペシフィックな作品(=特定の場所に存在するために制作すること)を創り上げるのも大きな特徴です。近年の東京での個展(資生堂ギャラリー、シュウゴアーツ)で発表した作品も、東京の空気や人々から感じ取ったものが根底にあります。
したがって、元は原家の私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQ から返還された後に美術館として40年の時を経ようとしている原美術館は、そのようなリーにとって、これ以上ない時空間であると考えています。リーがここで何を感じ、どのような“絵画”を描くのか、本展はリーの魅力が遺憾なく発揮される機会となります。
開催期間
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上位美術館・ギャラリー
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展覧会ジャンル
展覧会
アクセス数
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