left: "Miroiise" 2017 / wood, marble, rattan, bamboo, metal wire / h.260.0 × w.36.0 × d.6.5 cm
right: "Moonstone" 2017 / wood, bamboo, steel wire / h.155.0 × w.38.0 × d.16.0 cm ©Sopheap Pich Studio
【作品、作家に関して】
ソピアップ・ピッチの作品は、木々や花などの植物、人間の解剖学や、都市構造などからインスピレーションを得た、有機的かつ幾何学的な立体作品です。竹やラタン、ワイヤー、蜜蝋など、地域に根ざした素材を用いて目の粗い織り方で制作されているのが特徴で、透明性があり軽く見えながらも、機能的な構造による圧倒的なボリュームにより、空間全体にエネルギーが溢れ出ているように感じます。
ピッチは今までに2013年NYのメトロポリタン美術館での個展や、2012年の第13回ドクメンタへの出展など、世界中の美術館展覧会や現代美術展に多数参加し国際的に活躍してきました。今年は第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展「VIVA ARTE VIVA」への出展(11月26日まで)及び「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」では森美術館にて作品展示(10月23日まで)をしました。また、作品はニューヨークのメトロポリタン美術館、グッゲンハイム美術館、パリのポンピドゥー・センター、香港のM+、シンガポール美術館、サンフランシスコ近代美術館等、世界各国の主要な美術館に所蔵されています。
【本展「desire line」に関して】
本展タイトルである「desire line」は、日本語で「けもの道」を意味します。今年2017年フロリダのラウシェンバーグレジデンシーで滞在制作した際、そこにけもの道があり、森の中でヒトが踏み固めることで自然発生的にできる道の面白さを感じてこのタイトルを思いついたといいます。
本展では約12点の新作を発表致します。出展作の「Miroiise」「Moonstone」は、大理石やローズウッドの根を素材とし、彼の3次元作品の探求においてより抽象的かつ深みのある方向性が表現されています。また、新しい大規模のドローイングは、自然界の顔料を使って細く裁断された竹の棒を繰り返し紙の上に押し当てて制作されており、作品平面の中に響き合うリズミカルな線を生み出しています。これらの作品は、今年のヴェネツィア・ビエンナーレで展示したドローイング作品の発展形となります。
待望のソピアップ・ピッチ日本での初個展、是非この貴重な機会にご高覧くださいませ。
※小山登美夫ギャラリー(六本木)と8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery(渋谷ヒカリエ)では、カンボジアを代表する現代アーティスト、ソピアップ・ピッチの日本初個展「desire line」を同時開催致します。
(ギャラリーホームページより)