ピサロ
世界に誇る吉野石膏コレクション<br>印象派からその先へー
日本における西洋美術のコレクションは今から百年ほど前、第一次世界大戦が終了した1910 年代の末に始まります。松方幸次郎、大原孫三郎、福島繁太郎といった人々が、日本の西洋美術コレクションの中核となる作品を収集したのがこの時期です。その後も日本人の西洋美術に対する情熱は衰えず、数々の優れたコレクションが形成され、現在に至っています。
石膏建材メーカーとして知られる吉野石膏株式会社は、1970年代から本格的に絵画の収集を開始し、2008年には吉野石膏美術振興財団を設立。コレクションのさらなる拡充と調査研究を推進してきました。そうして形成された西洋近代美術のコレクションは、質量ともに日本における歴代のコレクションに勝るとも劣らぬ内容を誇っています。現在、その多くは創業の地、山形県の山形美術館に寄託され、市民に親しまれています。
印象派、記憶への旅
絵画の絆「フランスと日本」展
ポール・シニャック《ポルトリュー、グールヴロ》1888年 油彩・カンヴァス
フランスと日本の近代美術の巨匠55人の名作72点が青森に大集結!
東奥日報創刊130周年と青森放送創立65周年を記念し、ひろしま美術館の収蔵品(コレクション)の中から印象派を中心とするフランスの近代美術、日本の近代洋画と日本画の優れた作品を紹介する展覧会を行います。
ひろしま美術館は平和への願いを込め、「愛とやすらぎのために」をテーマに、1978(昭和53)年に開館した美術館です。そのコレクションはフランス近代美術と日本近代洋画、日本画の優れた作品で構成され、国内外で高く評価されています。本展は、そうした「世界の至宝」と呼び得るコレクションの中からモネ、ルノワール、ドガなどの印象派やエコール・ド・パリの作品群、そしてフランス近代絵画の影響のもと花開いた黒田清輝以降の日本近代洋画、横山大観、上村松園らの日本画作品を、「農村」「人体」「風景」「楽園」などをキーワードに選び紹介するものです。本展は「名画」「傑作」と呼ばれる芸術作品の魅力を余すところなく伝え、それらが時代や場所を越えて輝き続けるものであることを知る機会となることでしょう。
至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
ピエール=オーギュスト・ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》1880年
油彩、カンヴァス65×54cm ©Foundation E.G. Bührle Collection,Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)
ウェールズ国立美術館所蔵 ターナーからモネへ
クロード・モネ《サン・ジョルジョ・マッジョーレ、黄昏》1908年 油彩・カンヴァス
ウェールズ国立美術館 ©National Museum of Wales
英国・ウェールズの中心都市カーディフにあるウェールズ国立美術館は、1907 年に設立されました。同館は、ターナーやコンスタブルら英国の巨匠はもとより、ミレーやコロー、マネ、モネ、ピサロ、シスレー、ルノワールなどの優れたフランス近代美術のコレクションでも知られます。本展は、同館のコレクションを精選した約70 点により、19 世紀から20 世紀に至る英仏両国の美術の変遷をたどります。印象派のモネやピサロは、普仏戦争の戦禍を避けるため滞在したロンドンで、ターナーの作品にふれ、非常に感銘を受けたといわれています。一方、19 世紀末から20 世紀初めのイギリスの若い画家たちは、フランスの印象派に影響を受けた作品を描き、自国の美術に新しい風を吹き込みました。英仏の美術が海峡を越えて行き来していた様子を、知られざる名画の数々で是非ご覧ください。