渓斎英泉

粋な江戸の雰囲気を楽しめる「レスコヴィッチコレクション 広重・北斎とめぐるNIPPON」展

遠藤 友香2019/08/31(土) - 14:09 に投稿

近年、欧米のコレクターによる里帰り展で、日本から国外へと海を渡った名品と再会する機会が増えてきました。特に、19世紀の欧米で美術工芸の世界に多大な影響を与えた浮世絵には海外の愛好家も多く、それぞれの特徴あるコレクションは私たちの眼を楽しませてくれます。 

2019年8月27日(火)から10月20日(日)の間、京都の細見美術館に、パリ在住のポーランド人コレクター、ジュルジュ・レスコヴィッチ氏の浮世絵コレクションが登場。江戸時代の始まりとともに誕生した浮世絵は、生活や流行、役者、遊女などをテーマとし、庶民を中心に人気を博しました。

レスコヴィッチ氏は他の外国人浮世絵コレクター同様、日本でも人気の高い鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川広重、葛飾北斎といったビッグネームを含む浮世絵作品を所蔵しています。どれも大変質が良く、「ぜひ日本で紹介したい」と細見美術館館長がラブコールを送って、今回の展覧会が実現しました。3フロアからなる細見美術館での展覧会は、各フロアの雰囲気が異なり、1点1点の作品と対峙できる空間となっています。仰々しくではなく、もっと身近に浮世絵を感じてもらえたらという思いが随所に感じ取れます。
 

特別展「ニャンダフル 浮世絵ねこの世界展」

ARTLOGUE 編集部2019/04/26(金) - 02:31 に投稿
日本では昨今猫の人気が高まっています。ネズミ除けとして大陸から持ち込まれたとされる猫は、江戸時代の頃にはすでに多くの人々の懐に潜り込み、広く親しまれるようになっていました。浮世絵の題材にもしばしば取り上げられ、当時一大ジャンルであった美人画の片隅に登場してからは、擬人化され役者絵やおもちゃ絵の登場人物となって愛されたり、おどろおどろしい化け猫として人々の背筋を震えさせたりと多彩な活躍を見せます。 本展では、無類の猫好きで知られる歌川国芳(うたがわくによし)をはじめ広重(ひろしげ)、国貞(くにさだ)、豊国(とよくに)、英泉(えいせん)ら浮世絵師の作風の個性を楽しむとともに、人々が猫とどう関わってきたのか、また人が猫にどのようなイメージをもっていたのかを読み解きます。また、大阪会場特設コーナーとして、飼い猫の取り扱いに関する古文書や江戸時代の土人形(つちにんぎょう)といった資料なども紹介します。

江戸の園芸熱 -浮世絵に見る庶民の草花愛-

ARTLOGUE 編集部2018/12/19(水) - 02:31 に投稿
江戸時代の市井の人々が園芸を好んだ様子は、浮世絵にも多く見られます。 さらに当時、当館の所在する墨田区に当たる地域には、墨堤、亀戸天神、亀戸の梅屋敷、小村井の梅屋敷、向島百花園など、花に関係する多くの観光名所がありました。 本展では、園芸関係の浮世絵を通して、江戸時代の園芸や園芸道具、歌舞伎に取り上げられた花々、江戸時代の花名所などを紹介します。