彫刻
5感+1つの感性 絵を見ておしゃべりしよう!
人間や動物の感覚機能をよく五感といい「、視覚」「嗅覚」「聴覚」「触覚」「味覚」の五つであるといいます。これらになぞらえた5つの部屋に加え、第六感の部屋として、 創造力を働かせて対話しながら鑑賞していただける部屋によって所蔵作品を紹介します。
最初の部屋は「視覚」。滝波重人、勝呂忠、木村一生の色彩豊かな抽象作品が展示の幕開けを飾ります。二番目の部屋は「嗅覚」。匂うがごとくに咲き誇る花や花器のとりどりの作品をお楽しみください。三番目は「聴覚」。風の音がそよぐような風景、ギターや楽器をもった人物など、作品から聴こえてくる音に耳を澄ませてみましょう。四番目は「触覚」です。この部屋では、昨年一月に亡くなった彫刻家で、大磯に長く住んだ保田春彦の金属彫刻を展示します。
五番目は「味覚」。身近な果実を描く作品は古来から存在し、作家は果実に豊かに実る豊穣の大地を感じ、崇高な造形の美や、大きな塊としての彫刻性を表現してきました。
青木野枝 ふりそそぐものたち
岡山現代彫刻の断片展 Vol.3 【抽象ー多様化するイメージ】
コレクションの<現在(いま)> ― 絵画・彫刻・版画
冨井大裕 「線を借りる」
冨井大裕は彫刻の新たな可能性を探り、様々な彫刻の形を提示してきました。作品を制作するその態度や行為、体験などそのものが作品として成立するかどうか、芸術作品となるにはどのような要素が不可欠なのかを模索してきました。冨井は付箋や色鉛筆、ハンマーやゴミ箱等、しばしば身の回りにある既製品を用いて作品を作りますが、従来あったその物特有の用途や意味を取り払うことで、その物の物質としての新たな魅力や存在に焦点を当て、全く違うものへと昇華させます。またある時には指示書のみを展示し、観客自身がその指示に従い彫刻作品となるプロセスを踏む作品など、従来の“もの”としての彫刻とはかけ離れた、そのものの裏にある見えない“こと”にも焦点を当てた作品制作をしています。
今回の展覧会ではタイトル通り、他人の作品から「線」を借りた作品を発表します。ファッションブランド「tac:tac」のデザイナー、島瀬敬章氏のパターンの線を元に作られた彫刻作品、そのパターンから起こされた服、その服を試着する観客、それを写す鏡と映り込む背景、その全てのもの・こと・場・時など彫刻としての可能性を顕在化する展示となります。
イケムラレイコ 土と星 Our Planet
コレクション展 モダンなフォルム
堀内正和展 おもしろ楽しい心と形
エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し
両大戦間期と言われる1920~30年代のフランスでは、美術や、ファッション、宝飾、家具などの装飾に新しい美意識が生まれました。本展は、「アール・デコ」と呼ばれるこの時代の装飾スタイルにおける新しい時代感覚すなわち「モダン」の源の一つとして、「エキゾティック」な要素に着目したものです。
20世紀初め、ファッションに革命をおこしたポール・ポワレによる中近東やアジアを着想源とした衣服、1922年のツタンカーメン王墓の発見を機とするエジプトブームを反映したジュエリー、漆芸家の菅原精造に学んだジャン・デュナンの工芸品、あるいは東洋に倣った陶磁器など、アール・デコの作品では形、素材、技術の面において、非ヨーロッパ圏の芸術を応用した作例が見出されます。
この時代の異国は、夢見るものから自ら赴く場所へと変化していました。シトロエンによるアフリカ縦断・アジア横断クルージング、植民地での美術学校創設、留学奨励などにより現地に取材した芸術家たちが、ダイナミックな絵画、彫刻を生み出します。パリでは、アメリカの黒人歌手・ダンサーのジョセフィン・ベイカーの活躍や、1931年の「国際植民地博覧会」開催、珍しい動物がもたらされた動物園の人気など、エキゾティックで活力あるシーンが都市を賑わせました。