博物館

特別展「池大雅 天衣無縫の旅の画家」

ARTLOGUE 編集部2018/04/19(木) - 13:37 に投稿
国宝 十便十宜図のうち 池大雅筆 公益財団法人川端康成記念會(場面替えあり)

 

円山応挙や伊藤若冲など、個性派画家がしのぎを削った江戸時代中期の京都画壇。その活況のなかで、与謝蕪村とともに「南画の大成者」と並び称される
のが池大雅(1723~76)です。当時、日本でまだ充分には浸透していなかった中国絵画の新様式をもとに、それまでにない独自の画風を確立して一世を風靡しました。

その作品は、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を象徴するかのような、清新で衒いのない明るさに満ちています。天性の才ともいえる柔軟で芯の通った線描、みずみずしい色彩感覚、おおらかで雄大な空間表現…。江戸時代を彩る数多の画家のなかでも最も魅力的であり、かつ最も重要な画家の一人でありながら、大雅の回顧展は国内では長らく開催されておらず、近年ではむしろ海外において大規模な展覧会が行われ、大きな注目を集めました。

太陽の塔からみんぱくへ-70年万博収集資料

ARTLOGUE 編集部2018/03/03(土) - 01:44 に投稿

国立民族学博物館(大阪府吹田市千里万博公園10-1)では、開館40周年記念特別展「太陽の塔からみんぱくへ-70年万博収集資料」を2018年3月8日(木)から開催します。

本展では、1968年から1969年にかけて「日本万国博覧会世界民族資料調査収集団」が収集した世界の諸民族の仮面、神像、生活用具を展示し、収集活動にかかわる書簡や写真をとおしてコレクションの生い立ちを紹介します。これらの資料は、70年大阪万博で太陽の塔(テーマ館)の内部に展示され、現在、みんぱくの貴重なコレクションとなっています。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展

ARTLOGUE 編集部2018/02/23(金) - 02:18 に投稿
作者不詳(レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく)《タヴォラ・ドーリア》 ウフィツィ美術館 
Gabinetto Fotografico delle Gallerie degli Uffizi

 

フィレンツェのヴェッキオ宮殿を飾っていたレオナルド・ダ・ヴィンチによる未完の大壁画「アンギアーリの戦い」。《タヴォラ・ドーリア(ドーリア家の板絵)》は、この壁画の中心部分を描いた16世紀前半の油彩画です。本展では、日本初公開の《タヴォラ・ドーリア》を中心に、壁画の模写や派生作品、またレオナルドの多岐にわたる活動を紹介し、失われた壁画の謎に迫ります。さらにミケランジェロがダ・ヴィンチと同じ場所に構想した壁画の下絵の模写《カッシナの戦い》(日本初公開)を加え、ルネサンス二大巨匠による競演の実現を目指します。後世に絶大な影響を与えた天才の大壁画構想。美術史上に刻まれた一大スペクタクルをご体感ください。

 

モダンアート再訪 — ダリ、ウォーホルから草間彌生まで 福岡市美術館コレクション展

ARTLOGUE 編集部2018/02/15(木) - 15:56 に投稿
三岸 好太郎《海と射光》1934年

 

20世紀美術は様々な美術運動の消長の歴史ととらえることができます。印象派に始まり、エコール・ド・パリ、シュルレアリスムから一連の抽象画にいたる流れは主にヨーロッパで育まれ、広い意味でモダンアートと呼ばれています。

そして第二次大戦後、モダンアートの舞台はヨーロッパからアメリカに移り、巨大な抽象絵画やポップアートといった新たな成果を生み出しました。日本でもこれらの動向に呼応する作品が制作される一方、明らかにそこから逸脱する作品も生み出されました。明治以降、日本において欧米の美術がいかに受容され、いかなる変容を遂げたかという問題は日本の近代美術史を論じるにあたって興味深い主題です。

1979年に開館した福岡市美術館は近現代美術と古美術を二つの柱とする16,000点に及ぶコレクションによって知られています。2019年のリニューアルオープンに向けて、美術館が大規模な改修工事に入ったことを得難い機会として、この展覧会では福岡市美術館が所蔵する近現代美術のコレクションによって、モダンアートの歴史をあらためてたどりたいと考えます。

小杉武久 音楽のピクニック

ARTLOGUE 編集部2017/12/05(火) - 12:36 に投稿
タージ・マハル旅行団 「Free Rock in Ueno」 (1970 年) 武重隆夫 撮影

 

開催趣旨

小杉武久(1938〜)は作曲家/演奏家として、約60年にわたる活動を行ってきました。しかし、その活動は当初よりヨーロッパの伝統音楽の継承ではなく、つねに既成の「音楽」という概念を拡張しようとするものでした。小杉は大学在学中の1960年に、演奏家たちの自主性に基づいた即興演奏をする「グループ・音楽」を学友たちと結成します。60年代には反芸術集団「ネオ・ダダ」や「ハイレッド・センター」のメンバーなどと協同する一方、ニューヨークを拠点とした芸術家集団「フルクサス」とも関わりつつ、「音」を超えた音楽のありかたを追求していきました。1969年には現代音楽、ロックなどのジャンルを超えた「タージ・マハル旅行団」を7人で結成し、海岸、コンサート・ホール、ロック・フェスティバルなどのさまざまな場所で演奏を行い、国際的な活動も展開することとなりました。さらに1977年からは、ジョン・ケージが音楽監督を務めたニューヨークの「マース・カニングハム舞踊団」の専属音楽家として、さらに、個人としても世界各地で活躍しています。

便利堂創業130周年記念 「至宝をうつす-文化財写真とコロタイプ複製のあゆみ-」

ARTLOGUE 編集部2017/11/23(木) - 02:56 に投稿
便利堂による法隆寺金堂壁画原寸大撮影風景 昭和10年(1935)

 

企画趣旨

わが国は先人たちの確かな意思によって伝えられた文化財-いわゆる「伝世品」が数多く遺されている世界でも稀有な国です。その中には、「日本書紀」や「源氏物語」など、オリジナルは失われても「写本」という形によって現存するものが少なからずあります。古代から長い年月にわたり、貴重な文字資料や優れた絵画作品は臨写や模写など人の手によって繰り返し写しが作られ、伝え遺されてきたのです。これらは、大切なものを写して後世に伝えたいという先人たちの思いの賜物です。これは日本が誇る「写本文化」と言えるでしょう。

フランス人間国宝展

ARTLOGUE 編集部2017/10/17(火) - 11:04 に投稿

日仏両国が共同で推進する、人間国宝の技と美の結晶の展覧会

日本の人間国宝の制度を基に、1994年にフランスにおいても人間国宝制度(メートル・ダール/Maitre d' Art)が策定されました。2017年9月12日~11月26日。そのフランス人間国宝の海外初の展覧会「フランス人間国宝展」が東京国立博物館の表慶館で開催されます。フランスの伝統技術に現代の息吹を加えたフランス人間国宝の作品は、世界の王族、貴族に愛され、各国の国立美術館にも収蔵されています。本店では、フランス人間国宝の作家を中心に15名の匠たちが選ばれ、珠玉の作品を展示します。日本の工芸作家との共同制作作品も展示される予定です。翌2018年は日仏友好160周年記念にあたり、2018年11月から2019年2月には日本の工芸作家とフランス人間国宝の共同展覧会が、ルーブル宮殿内のパリ装飾芸術美術館の創立150周年を記念して開催される予定です。伝統的な技と美の継承と啓蒙、そしてさらなる進化。国境を越えた手仕事の魅力と未来を、次世代の子ども達や若者にも広く紹介します。

 

秋季企画展「明治期の伊丹~文明開化と人々のくらし」

ARTLOGUE 編集部2018/09/26(水) - 02:30 に投稿
今年は明治改元から150年の年にあたります。本展ではこれを記念し、伊丹の明治期の様子を多方面から探ります。文明開化の象徴である鉄道や郵便制度の普及、代表的な産業であった酒造業の新展開、当時の伊丹の風景などについて、進出資料を交えて紹介します。