狂気を狂気のままに、冷めた眼差しで人の「むきだし」をあぶり出す『宮本から君へ』 監督・真利子哲也
©「宮本から君へ」製作委員会
真利子哲也(まりこてつや)が、2016年に公開された柳楽優弥(やぎらゆうや)主演の『ディストラクション・ベイビーズ』に続き、渾身の役者魂を引き出した映像をテレビドラマで送り出しました。2018年4月から6月までテレビ東京系列の深夜枠にて放送された、『宮本から君へ』です。1990年代はじめに、賛否両論を巻き起こしながら若者の心を掴んだ新井英樹の漫画をドラマ化した本作は、文具メーカーの新入社員宮本浩が、仕事や恋に七転八倒してもがきながら、社会人としても人としても成長していこうとする、熱く、不器用な生き様を描いています。主演の池松壮亮(いけまつそうすけ)の突っ走る演技を、冷徹にすくい取る映像が底知れぬ才能を感じさせる作品でした。
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