デジタルアーカイブ

Webコンテンツを解き放つIIIF(トリプルアイエフ、International Image Interoperability Framework)の可能性。

永崎研宣2017/09/10(日) - 10:08 に投稿

デジタル画像は、公開している美術館や組織・機関のWebサイトに行って見るもの。サイトごとに掲載方法が違うから、見たいサイトの使い方をちゃんと知っているのが現代人のネットリテラシー。このような状況を私たちは当然のものとして受け入れて、使い方をいちいち覚えたり、あるいは、面倒だからあまりネットには近寄らないようにしてきたと思います。

しかし、よく考えてみると、ちょっと変な話です。デジタル画像はどこでも大体同じフォーマットですし、付与されている情報もそれぞれに特徴はあるにせよ、デジタルデータなのだから、もうちょっと簡単に使えてもいいような気がします。

近年、この状況をかなりの程度解決してしまう規格が欧米を中心に急速に広まりつつあります。はじまりは、西洋中世写本だったようです。西洋中世写本は、ミニアチュールと呼ばれるその美しい挿絵だけが切り取られて別に保管されることがあり、それぞれ別々の機関に所蔵されていることがあるようです。それを、それぞれの機関が自前で公開しつつ、それを閲覧者のところでうまく統合してみられるようにする。それが、IIIFの最初の目標であり、ようやく2017年6月、誰もが使えるフリーソフトで実現できるようになりました。