ゴーガン
ポーラ美術館コレクション モネ、ルノワールからピカソまで
2002年、箱根に開館したポーラ美術館は、国内屈指の充実した西洋絵画コレクションを誇ることで知られています。本展では、そのコレクションの中から、特に人気の高い印象派を代表するモネ、ルノワールをはじめ、ポスト印象派のセザンヌやゴーガン、フォーヴィスム(野獣派)のマティス、さらにはキュビスムのピカソといった巨匠たちによる作品72点をご紹介し、個性豊かな作品群が織りなす豊潤なフランス近代絵画の魅力に迫ります。
作品紹介
第Ⅰ章|印象派の誕生:モネとルノワール
都市と自然の中で風景画の制作に勤しんだクロード・モネと、肖像画を得意とし古典的モティーフである裸婦の表現を追究したピエール・オーギュスト・ルノワール。印象派を代表するこの二人は、1869年にセーヌ河畔のラ・グルヌイエールでともに戸外制作を行った際、筆致を強調しながら混じり気のない明るい色彩を並べる「筆触分割」と呼ばれる技法を創り出しました。
この章では、ポーラ美術館の誇る西洋美術コレクションの中でも特に人気の高い印象派の画家たちの作品と、彼らに先駆けるギュスターヴ・クールベやエドゥアール・マネらの作品あわせて31点を紹介し、印象派の誕生とその展開を辿ります。
プーシキン美術館展 ―― 旅するフランス風景画
珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。
なかでも、初来日となるモネの《草上の昼食》では、同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。新緑の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」をどうぞお楽しみください。