森村芸術とは何か。
森村は⾃らを20世紀・昭和を出⾃とする⽇本の芸術家である、ということに⾃覚的です。⽇本は明治維新後は⻄洋⽂明・⽂化に影響を、太平洋戦争後はアメリカ⽂明・⽂化に影響を強く深く受けてきました。古くはそれは中国⽂明・⽂化でした。そうした⽇本の「古層」的な⽂明⽂化受容の精神構造を前提に、⾃らの芸術のあり⽅を追い求めてきました。そこには時代精神と歴史精神の両側⾯に⽴脚しようとする森村の決意・態度が伺えます。
森村芸術とは、⾃分ではない何かになる試みを続けながら、⾃分であることの意味を問い続ける営みの集積です。他者及び他者の芸術成果・歴史的事件に対する独⾃の分析を加えながら、⾃分の⾝体を⽤いて写真・映像・パフォーマンス表現をすることを考えれば、森村芸術とは、成果としての撮影作品だけではなく、実践としての現場もまた森村芸術の重要な⼀部を占める、と⾔ってもよいかもしれません。森村が作品において現場感の表出を⼤事にしているのはその表れです。
今展は森村芸術の34年間の軌跡を、「現場」作品とも⾔うべきポラロイド⽅式の写真(拡散転写⽅式印画)を通して辿るものになっています。撮影現場を⾃らが⽣き、創造する場として常に⼤事にしてきた森村芸術のエッセンスがそこにあります。本⼈⾃ら森村芸術の秘密を語るエッセイとともにこの展覧会をお楽しみ頂ければ幸いです。
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開催概要
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会 期:2018年10月20日(土)〜11月24日(土)
会 場:シュウゴアーツ
時 間:11:00〜19:00
休 廊:日・月・祝