海だ!山だ!芸術だ!<br>「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」<br>世界最遅レポート! 山側編

ARTLOGUE 編集部2017/01/04(水) - 18:00 に投稿
海だ!山だ!芸術だ!<br>「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」<br>世界最遅レポート! 山側編

世界最遅! 前回の海岸部編につづいて、「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」山側エリアのレポートです!

 

◯海側はコチラ

海だ!山だ!芸術だ!「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」1泊2日弾丸鑑賞記 海側編

 

「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」の会場は茨城県の北部、風光明媚な海浜部と自然豊かな山間部の6市町にまたがり、2016年9月17日から11月20日まで開催されました。我々ARTLOGUE 取材陣は最後の最後、11月19日、20日に弾丸取材ツアーを敢行しました。
KENPOKUは、自然との対話と同時に、最先端の科学技術との協働も一つの特色であり、実際に科学技術を使ったメディアアートやバイオアートなども散見されました。

総合ディレクターの南條史生氏(森美術館 館長)は「自然、科学技術、人間性の統合を可能にするのはアートである。アートこそが、多様な知と創造的な思考、分野を超えた協働と地域に根ざした活動、哲学的視野と生きる喜びを統合して、明日への新たなヴィジョンを開示できるのではないだろうか。」と言っています。

さて、どのような作品があったのか、早速見ていきましょう。

 

大子町 旧浅川温泉

水戸に宿泊していた我々は、朝一から車で一気に北上し、旧浅川温泉までやってきました。最終日は混むであろうとの判断から、最北端から南下する作戦です。しかしながら、幹線道路が1本しかない田舎特有の事情から予定よりもズリズリと遅れて、旧浅川温泉にはオープン時の930分に着く予定でしたが、着いた時には10時近くにまでなっていました。

が、そんなあせる気持ちをなだめてくれたのが、妹島和世の《Spring》です。こちらの作品はのどかな田園風景の中にぽつりと現れた足湯です。直径10mの足湯には風景が写り込んでいます。中に入ると中央部では、落合陽一の川のせせらぎを用いたサウンドアート《空気のせせらぎ》が聞こえてきます。

少し肌寒い時期だったので、足湯に浸かったらホッとします。ただし、鏡面に磨かれたアルミはとても滑りやすく、転んでしまう人もいたようです。

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妹島和世《Spring》2016

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妹島和世《Spring》2016

会場には温泉とともに古く大きな藤棚もあり、ふじ豆もお土産にもらいました。

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大子町 旧上岡小学校

お次は、少し移動して大子町の旧上岡小学校へ。
旧上岡小学校はNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」や「おひさま」のロケ地、また、「劇場版 ガールズ&パンツァー」の聖地としても有名らしく、芸術祭目的ではない(であろう)方々も沢山訪れていました。その他、映画にドラマ、バラエティー、CMと引っ張りだこの校舎です。

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大子町 旧上岡小学校

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旧上岡小学校で先ず特筆すべきは、田中信太郎の《沈黙の教会、あるいは沈黙の境界》です。田中信太郎は、赤瀬川原平らと1960年、前衛芸術家集団「ネオダダイズムオルガナイザーズ」を結成し、後にミニマルな表現へと移行した大御所です。

本展では、歴代の校長の肖像や児童の作品などが飾られた講堂に、半世紀前に発表された床に黒いコールタールをたたえた《漆黒の沼》を再制作しました。元々は、道路舗装などで多用された石油由来の素材で、高度成長期である当時の社会批評が込められていました。46年後の再制作では墨汁を用い、どこまでも深い漆黒はタイトルにあるように沈黙を、そして鏡面に映るのは異世界、アチラとコチラを表しているようです。人の感覚とは不思議なもので、真っ黒い液面は全てを飲み込むような漆黒にも見えるし、全てを反射する鏡面にも見えてしまいます。
また、壇上に置かれた黒い光沢のある卵型の立体とその上から注ぐ光で構成された《マリアの泪》は一見、どうやって置かれているか分からないほど、異世界感があり、まるでマンガ『GANTZ』に出て来る謎の黒い球体のようです。

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田中信太郎《漆黒の沼》

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田中信太郎《マリアの泪》

お次のComposit はニコラ・シャルボニエ、ギオーム・レジェ、ジュリ・プロスト、南條俊輔フランソワ、クリストフ・K・グーセンスで構成されたアーティスト・ユニットです。
旧上岡小学校で、校舎内の物や卒業生の思い出の品々を集め、それらに近づくと人々の思い出がインタラクティブに再生される作品《記憶装置》を展示。
知らない町の、知らない小学校の記憶の断片なのに、シートでつつまれて抽象化されることで、なぜか既視感とノスタルジックな感覚を覚えます。

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Composit《記憶装置》

ピウス・シギット・クンチョローはインドネシアの作家です。旧図書室には、《嘘つきだった子ども、大子で真実に出会う》と題し、両親が不仲で学校にも居場所のない少年に対して、妖怪や年配の人々がアドバイスをくれたという架空の物語から生み出された記録が、ピウス・シギット・クンチョローによるイラストと共に展示されています。鑑賞者は、各テーブルに置かれている質問に、同じく置かれているノートへ答えを書くこともできます。
子どもがじっくりと読んでいたのですが、妖怪や猫などの質問をどう感じたのでしょうか。

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ピウス・シギット・クンチョロー《嘘つきだった子ども、大子で真実に出会う》

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ピウス・シギット・クンチョロー《嘘つきだった子ども、大子で真実に出会う》

 

大子町 森林の温泉

奥久慈大子の雄大な大自然に囲まれた日帰り温泉「森林の温泉」。こちらには、増田聡子の県北産の西の内紙で作られた4曲一双の屏風作品《庭にて ー 風と森 II》(7.2m × 1.8m)があります。温泉浴と森林浴でのぼせた頭を休憩所でクールダウンしながらこの作品を観るのも一興でしょう。
残念ながら時間の都合上、温泉はスルーしましたが、この辺りの名産らしいので刺身こんにゃくを買いました。

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増田聡子《庭にて ー 風と森 II》

 

大子町 袋田の滝

お次は「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」のハイライトのひとつでもある、日本三名瀑・袋田の滝に至るトンネル内部にある韓国人アーティスト、ジョン・へリョンの《連鎖的可能性―袋田の滝》です。
日本三名瀑・袋田の滝と言ったものの、大阪人の僕は袋田の滝のことを知らなかったので、ここへの道中、どんどん観光バスや車が増え渋滞している理由も分からないまま向かっていました。着いてみれば、お食事処やお土産屋などが所狭した並んだ仲見世通りには観光客がぎっしり。これまで様々な芸術祭に足を運びましたが、これほど集客力のある観光地のど真ん中に置かれた作品も珍しいのではないでしょうか。
さて、肝心のジョン・へリョンの《連鎖的可能性―袋田の滝》ですが、滝へとつづくトンネルの天井にうねうねした構造物が這うように奥深くつづいています。透過性のあるアクリルは様々な光彩へと変化をします。そのフォルムは滝につづく川の流れをモチーフとし、まるで水が環境に合わせて道を創っていくかのように、自由でありながらも、必然的にそうあるべきかのようにも見えます。同時に、無限につづいていそうな空間と、光の曲線はVRアートをも彷彿とさせ、同時代性を感じさせます。

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ジョン・へリョン《連鎖的可能性―袋田の滝》

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ジョン・へリョン《連鎖的可能性―袋田の滝》

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ジョン・へリョン《連鎖的可能性―袋田の滝》

 

しかし、我々ほど熱心に作品を撮っている人もおらず、人々は一心不乱に滝へと向かってきます。(この時には僕はまだ袋田の滝のことをよく知りません。)

ジョン・へリョンの作品もひとしきり観たので、ついでに滝も見ておこうかと人の流れについて行き、滝の見える出口を出ると・・・!!!!!

 

 

どーーーーーーーーん!!!!

 

 

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どーーーーーーーーん!!!! 

です。 

どーーーーーーーーん!!!!


どーーーーーーーーん!!!! 
くらいしか感嘆詞が思いつきません。

 

これは、スゴイ! そりゃ、大挙しておしかけるはずです。 
全く知識なく見たので、インパクトも感動も瀑烈です。

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当初は、紅葉シーズンだったので(それもあるだろうけど)、混んでいるのかと思っていましたが、日本三名瀑・袋田の滝の素晴らしさを実感です。

 

竜神大吊橋

さらに、歩を進め竜神大吊橋へ。竜神大吊橋もまた大パノラマの素晴らしい絶景です。
ちょうど日本最大級、高さ100mにもなるバンジージャンプも飛んでいました。余談ですが、僕も以前、成人の儀式と称して岡山県の鷲羽山ハイランドで30mのバンジージャンプは飛びましたが、1/3の高さでも強烈に怖いです。自分で飛び降りることの恐怖は他のどんな体験ともまた違っています。

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さて、お目当てのチェ・ジョンファの作品はどこか。湖面にチェ・ジョンファっぽい物体が浮かんでいるが、よく見ればカヌーのご一行でした。

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竜神大吊橋の係員に尋ねると、橋を渡った先に作品はあるとのこと。ちょうど紅葉で色づいた山々の織りなす壮大な眺め楽しみながら、チェ・ジョンファ作品との対面に向けて橋を渡ります。

 

そして、ついに対岸へ。 


チェ・ジョンファの作品を探します。 

何やら視界の片隅に造形物がチラつくが、心のなかで「あれではないはず・・・」と他を探します。

ガイドブックには「375mの長さをもつ竜神大吊橋。ワイヤーに吊られたキラキラ光る無数のメタリックなテープが刻々変化する風でダイナミックにはためきます。」とある。

このロケーションだ。さぞかしダイナミックな作品があるのだろうと探します。

が、他にはなにもない。 

意を決して、先程から視界にチラつく造形物に近づく。 

すると、とうとうKENPOKUの作品キャプションを発見してしまい、これをチェ・ジョンファの作品と認めざる負えなくなってしまった。

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チェ・ジョンファ《山海魚 LOVE》


オフィシャルサイトにはこうある。

「山か、海か、魚か?

河川から山にのぼる魚
山から海にむかう魚
空にのぼる魚
太陽を食べる魚」

チェは語ります。「この作品は天人合一そのものです。時にアートは見捨てられたものや愛のある生活を回想させるもの。アートは生きることそのものなのです。あなたもアーティスト、だれもがアーティスト。すべてがアートです。アートはなにかを説明するために存在するのではありません。アートに触れた時、私たちの心にわきおこったもの、それが答えなのです。」

 

だそうです。 
小学校の教室や、池の畔、どこか違う場所でこの作品が展示されていれば、違って見えるかもしれないが、この壮大な景観の中に置かれると、申し訳ないが残念でしかない。 1泊2日しかなかったので、かなり会場を端折って厳選して廻っているだけに、この作品を見たときのガッカリ度数がこの旅MAXだった。

同行した芝田は、高所恐怖症ながらも作品見たさに死に物狂いで橋を渡ったので、ご立腹の様子で「ユ・ル・サ・ナ・イ」という呪詛をブツブツと唱えながら、僕を置いて一目散に戻っていった。

まぁ、しかし竜神大吊橋からの眺めは素晴らしかったので、良しとしましょう。

 

常陸大宮市 旧家和楽青少年の家

道中、井上信太の《「ART ZOO」:サファリパークプロジェクト in 常陸太田》を探すも見つからず、狭い山道では対向車が溝に脱輪して道を封鎖し足止めを食らい、さらには大幅に道を間違えたがゆえに、旧家和楽青少年の家に着いた時には15時45分。17時には芸術祭そのものが終わってしまうので、この時点でかなり焦っています。
しかし、ここにも見逃せない大作があります。

まずは、台湾人作家ワン・テユの《No.85》。空間全体にまで膨張させた半透明な素材のバルーンは内部にも入れます。建物の構造が輪郭と質感が少し透けて見えることで、夢の中で見た曖昧な記憶の建物の中のようでもあるし、『12モンキーズ』などパンデミック系の映画の隔離病棟のワンシーンのようにも見えます。

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ワン・テユ《No.85》

人が入っているところを、2階の開口部から覗けます。

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ワン・テユ《No.85》

お次は、アメリカ人作家マシュー・ジェンセンの《反芻ー久慈川にて/The Sun Returning》。県北地域を流れる久慈川の太陽の反射を上空撮影した作品です。撮影はおそらくドローンを使っているのでしょう。川が太陽光に照らされることで、神々しくも見えます。展示空間にはマシュー・ジェンセンが拾ってきた石や陶器の破片なども一緒に置かれています。陶器の破片は全て別の個体のものだと思うのですが、一見すると統一性があるようにも見えます。これが、地域の”らしさ”なのでしょうか。(陶器に詳しい人ならサクッと判別できそうですが)

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マシュー・ジェンセン《反芻ー久慈川にて/The Sun Returning》

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マシュー・ジェンセン《反芻ー久慈川にて/The Sun Returning》

 

旧家和楽青少年での最後かつ極めつけは、ザドック・ベン=デイヴィッドの《ブラックフィールド》。広い空間に敷き詰められているのは、すべて金属製の植物図鑑からとられた実在の草花の切り抜きで、その数なんと約27,000本。会場に入るとそれらはすべて黒く塗られていますが、逆から見ると極彩色に彩られていて、全く違う風景に変化します。この作品は芸術祭開催前に多くの制作サポーターと共に制作されました。
ザドック・ベン=デイヴィッドの「イエメン生まれ、同年イスラエルへ移住/英国在住」という経歴からも、この世界は見る方向によって全く違う風景に見えるということを示唆しているかのようにも思えます。

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ザドック・ベン=デイヴィッド《ブラックフィールド》

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ザドック・ベン=デイヴィッド《ブラックフィールド》

 

常陸大宮市 石沢地区空き店舗(旧衣料品店・旧ゲームセンター)

あと、もう一会場!しかし、道は混んでる! 夜はふける! 辺りは真っ暗だ! 
17時まわった! だが、着いた! 
とにかく写真だけでもと、駐車場に無造作に車を突っ込み、閉めさせるものかとダッシュで会場に入った。この時、17時10分。 

感想を言えるほど見ていないので、サラッと紹介します。


こちら内海聖史の《moon satellite》は10mx7.6mもある巨大な絵画です。

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内海聖史《moon satellite》

背面には光るオブジェがかけられています。

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裏の光はビッグバンを、表の絵画は広がりゆく宇宙を・・・。といったら言い過ぎでしょうか。

こちら、小さな絵画が八の字に配置されています。衛星や天体の軌道、どことなく野村仁の《The Analemma》なども想起させます。

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ベトナム人作家のレ=トゥア・ティエン《森の記憶》。天井に無数の黒く焼け焦げた小枝が吊るされています。それらには光が当てられ、壁面に影が映し出されています。影というかたちで膨張された小枝たちの姿は、まるで樹木として生き生きとしていた時の記憶を壁面に照射しているかのようです。

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レ=トゥア・ティエン《森の記憶》

 

「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」世界最遅レポートのファイナルを飾るのは。ドイツ人作家ミヒャエル・ボイトラー《ジョイ・センターの客》です!

今回、ミヒャエル・ボイトラーは旧ゲームセンターの空間で、日本の若手芸術家や一般参加者と共に、地域の素材を使った大規模なインスタレーションを制作。
外側は竹や障子で組まれた円柱状で、内部には土俵の吊り屋根のようにも見える構造体があります。これらはすべてが一体となっており、真ん中に置かれたプールに浮いていて、ゆっくりと回っています。中から回っている障子を見ていると三半規管がおかしくなるのか、かなり気持ちが悪いです。酔ってしまう人もいるかもしれないと、プールの周りは座れるようになっています。

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ミヒャエル・ボイトラー《ジョイ・センターの客》

ミヒャエル・ボイトラーはその地域ならではの特長や制作プロセスを重視しているので、インスタレーションを構成する素材を作るための道具も地域の素材を集めて作ります。また、道具そのものを作ることで、道具に規定されない自由なものづくりが成されています。

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最後は、スタッフの方から少しお話を聞いていたので、会場を出たのは17時30分。スタッフ以外では「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」最遅の退出でしょう。

 


やはり芸術祭のひとつの醍醐味は、アートを通じて知らない土地に赴き、知らないモノゴトに出会い、地域の人とのコミュニケーションから新しい発見や驚きを得られることですね。旅のプランニングで、自分の興味関心ごとにだけ焦点をあて効率ばかりを求めてしまえば多用な世界を知るチャンスは広がらないでしょう。
以前、宗教人類学者の植島啓司先生が旅行と旅の違いを「旅行は知っていることの確認が目的、旅は知らないこととの出会いが目的(意訳)」と仰っていたのを思い出しました。
ちょとした旅の羅針盤として、芸術祭やアートはうってつけなのかもしれませんね。


これにて、「KENPOKU ART2016茨城県北芸術祭」世界最遅レポートを終了とさせて頂きます。

(しかし、広かったぁ)

 

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2日間の走行距離417km

 

※ 世界最遅記録は、2017年1月4日18時点での記録です。

 

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