TAICOCLUBは今回で10年目を迎えた野外音楽イベント(野外フェス)で、毎年、まだ肌寒さの残る5月後半から6月前半に開催されています。星占いの世界ではこの期間は毎年、太陽が双子座に滞在している季節、とされています。二十四節気でいうならば小満の日からの1ヶ月のことです。
この季節は星占いで誰がどの星座だと区分けされていようとも、すべての人にとって双子座的な行動様式が促される時期と考えられます。
双子座的な行動様式。それは『好奇心に従順になること』を意味します。あれも知りたいし、これも見たい、それからそれについても話したい。この盛りだくさんな好奇心を満たすことが双子座の季節を楽しむコツと言えるでしょう。
さて、今回、私もTAICOCLUB'15に参加してきました。会場は長野県木曽郡、標高1100mの山間に位置する「こだまの森キャンプ場」です。会場では3つあるステージから聴きたい音楽を選ぶことができます。
特設ステージではDJモノ、Red Bull Music Academyステージではまったりアンビエント、野外音楽堂では日本や世界の主要音楽カルチャーと、それぞれ違った趣のパフォーマンスが楽しめます。
また、音楽を楽しむ以外にも、キャンプエリアで持ち込んだテントやイスに腰掛け、山林の澄んだ空気を味わったり、出店している雑貨屋などでショッピング、屋台で飲食などもできます。会場がそもそもキャンプ場なので音楽フェスティバルなのにアスレチックやマス釣りまでできたり、参加者にはいくつもの楽しい選択肢が用意されています。
そしてテントという、家に比べて隣人との境界線の緩い居住スペースを通して、はじめて会った者同士が会話をする機会も多くあります。
「こんにちは、どこから来たんですか?」
「群馬県からです!」
「群馬県って・・なにか有名なものありましたっけ?」
「たくさんありますよ!たとえば・・」
コミュニケーションも好奇心を満たすツールで双子座の管轄です。選択できる楽しさ、知らなかったことを知る楽しさ、それらをTAICOCLUB'15で経験することができました。
また、今回のステージで双子座的だな、と感じたのはNosaJ Thing + Daito Manabe 。NosaJ Thing のDJと、Daito Manabe のVJという組み合わせのパフォーマンスでした。
西洋占星術は神話にのっとって惑星や星座に意味を持たせているのですが、双子座にももちろん神話があります。双子と言えど片方は人間である兄のカストル、片方はゼウスの血を引く神の子ポルックスで、双子の兄弟なのに、命に限りある人間と不死の神という別の存在なのです。二人はそんなことも知らず仲良くお互いを唯一無二の存在と思い、やんちゃに過ごしてきましたが、ある戦いのさなか、カストルが心臓を矢に射抜かれ命を落とします。しかしポルックスは神であるためどんなに傷ついても命を失うことがありません。見かねたゼウスが、ポルックスを神の国に迎えようと提案します。しかし兄と離れたくないポルックスはこれを固辞。そのためゼウスはポルックスの不死の命の半分を兄カストルに分け、2人で地上と冥界を一日おきに行き来することを冥界の王ハデスに了承を得ました。
冥界をアンダーグラウンド、と言いかえられるなら。NosaJ Thingの動きを前から、後ろから、横から、カメラで捉え、紡ぎ出すリズムを波状の光にしてスクリーンいっぱいに溢れるように映し出す。これほどのNosaJ Thingへの敬意と愛を持ち、自由自在に観客の視覚を翻弄する真鍋大度を弟ポルックス、そしてポルックスの情熱を受け入れる大きな器を持つNosaJ Thingを兄カストルと見ることができるのではないかと感じました。
真鍋大度のVJから放たれる閃光が霧雨に反射し森の深い闇を焼くように照らし、NosaJ Thingのプレイは集まった観客たちの鼓動を速め体温を上げていく。その2人の姿はまるで冥界でも地上と変わらずやんちゃに遊ぶ双子のようです。
もう一つ取り上げるなら Red Bull Music Academyステージ。こちらは、他の2つのステージに比べサイズはコンパクトで、ステージ前にはキャンドルが灯されていて穏やかな音楽と相まってとても幻想的な雰囲気がありました。このステージを星座でたとえるなら魚座でしょうか。
© Yusaku Aoki / Red Bull Content Pool
魚座は二匹の魚が水の流れによってはぐれないよう、お互いの尾をリボンで結んでいる、そんな星座です。このRed Bull Music Academyステージが2ステージをつなぐポイントに位置していることで参加者は一服の清涼感を味わえます。
魚座にもいくつもの意味があり「癒し」という言葉も用意されています。ずっと盛り上がっているだけでも飽きてしまう。踊り疲れて、今はただひたすら魚のように音楽の海にゆらゆら漂いたい。
そんな眠らない夜を満喫したい参加者の想いを汲み取ったステージなのではないかと感じました。
そんな風に双子座の季節の夜は深まって行ったのです。
しかし、この6月初旬の双子座の時期の音楽フェスティバルは日本国内でもTAICOCLUBだけではありません。ではTAICOCLUBの突出した魅力はなんなのでしょうか。それを初開催日2006年6月3日・4日にフォーカスして見て行きたいと思います。
■TAICOCLUBにおける乙女座の側面
この日、月は上弦の月の直前でした。上弦の月とは半月の状態を指します。
星占いの世界では、太陽が双子座に滞在しているときの上弦の月とは、月が乙女座に位置していることと同義です。
先ほど述べました双子座の太陽が「好奇心を満たす(双子座)行動様式(太陽)」という意味が付与されているように乙女座の月にも意味が設けられています。太陽が行動様式、月がリラックスしている状態という意味があるため、乙女座に月が位置している状態を簡単に「自分の力で人の力になりたいと思いやすい」と言えます。
星占いに12星座あるのはご存知の方は多いかと思いますが、この12星座をひと星座毎、牡羊座から始まって魚座で終わる人間の一生に例える考え方があります。それでいうと、先に述べました双子座は3番目の星座。赤ん坊が成長し、言葉を覚え遣う段階を意味し、乙女座は星座の半分に当たる6番目の星座で、自己が確立され、他者と出会う前の段階を意味しています。
この乙女座の前の星座である獅子座で人は、「自分はこんなに素晴らしい!」と自己肯定し、この素晴らしさを活かしたくなるのが乙女座の段階、というわけです。
TAICOCLUBが持つ他の野外フェスより突出した魅力に、自由な雰囲気があげられるでしょう。どのように自由なのかは参加して感じて頂きたいのですが、本来、乙女座というのは自身の魅力を発揮しやすくするためにルールを設けます。そのため義務感の星座とも呼ばれ規則に厳しい星座だとされています。そんな星座に月が位置していた日に生まれたイベントがどうしてルールを緩くできるのかと考えると、乙女座には”規則”や”義務感”のほかに”自律”という意味もあります。アーティストもオーディエンスも、TAICOCLUB に関わる全ての人が乙女座の月の下で、「みんなで楽しみたい」、「誰かの力になりたい」と、自律の心が働きやすくなり、逆説的にルールに縛る必要がなくなるからではないでしょうか。
以下はTAICOCLUBの主催者である、こいのぼり株式会社 安澤太郎氏のTEDxTokyo yzで行われたTAICOCLUBの魅力を通して見る集団の動かし方についてのスピーチ(http://logmi.jp/22114)から抜粋した一文です。
「「グルーヴ感」っていうのは(中略)みんなが人のために自分で何かを率先してやっていくっていうことで、(自分が)人に何かを与えてもらうんじゃなくて、自分が人のために動いてあげるっていうことを自然にできることなんですね。そんな集団ができたときに全員が自然に進んでいく、勝手に動いていくというか、みんなが一気にまとまっていく感じというのが出てきます。」
■2016年のTAICOCLUB’16
この「人のために動きたい」という願いを持つ乙女座という星座に、今年2015年の8月半ばに木星が移動します。
木星は1星座を約1年かけて運行する惑星です。星占いで「今年は12年に一度のラッキー年!」などと表現するときはこの木星が関わっており、ラッキースターと呼ばれますが、開拓や発展を意味する惑星とされています。
木星が乙女座に移動することで今年の8月半ば以降、(誰がどの星座生まれであっても)「自分の力で人の力になりたい」という気持ちが大きくなるでしょうし、社会的に見てもそのような活動が発展していくことになると考えられます。
次回のTAICOCLUB’16の日程がすでに公表されていますが、それは2016年6月4日・5日。
ちょうどこの日、双子座にいる太陽と、乙女座にいる木星が地球から見て上弦の月と同じ配置をとります。
この星配置は、「好奇心を満たす行動様式」が、「自分の力で人の力になる」という分野を刺激・開拓し、ラッキーへ導いてくれることを暗示するものだと考えられます。
TAICOCLUBというイベントの魅力を実感するには来年は当たり年になるかと思います。
あなたの好奇心を満たし、ご自身の持つ素晴らしさを活かすきっかけとなる他では味わえないイベントになるのではないでしょうか。
TAICOCLUB'15 | TAICOCLUB Official Web Site
http://taicoclub.com/
Red Bull Music Academy Japan
http://www.redbullmusicacademy.jp/jp/home/
TAICOCLUB'15 開催概要
開催日
2015年5月30日(土)~ 5月31日(日) オールナイト公演
開催地
長野県木曽郡木祖村 こだまの森
主催
TAICOCLUB事務局
後援
アメリカ合衆国大使館/ブリティッシュ・カウンシル/ドイツ連邦共和国大使館/オーストリア大使館/
オーストラリア大使館/スペイン大使館
参加ミュージシャン
Autechre ・ BOREDOMS ・ cero ・ clammbon ・ Clark ・ cro-magnon ・ EGO-WRAPPIN’ ・ Electric Indigo ・ ハンバート ハンバート ・ クボタタケシ ・ Marcel Dettmann ・ Monolake ・ MOODMAN & PLAYERS ・ Nick The Record ・ Nosaj Thing + Daito Manabe ・ Radio Slave ・ レキシ ・ ROBERT GLASPER EXPERIMENT ・ SOHN ・ Sons of Magdalene ・ Sugar’s Campaign ・ Svreca × Pedro Maia × Yuriko Shimamura ・ Takkyu Ishino ・ The Kite String Tangle ・ Thieves Like Us ・ YOUR SONG IS GOOD
- Red Bull Music Academy -
Albino Botanic ・ Ametsub ・ A Taut line ・ Lo-shi ・ Ryo Murakami ・ 砂原良徳 ・ Yosi Horikawa ・ Young Juvenile Youth ・ WHITELIGHT
旧wordpress.posts.ID
91
旧wordpress.posts.post_name
zhan-ishi-gajian-tataicoclub-shuang-zi-zuo-toyi-nu-zuo-noce-mian-kara-our-arts
恣意的アクセス数
40
アクセス数
40
2
42