昔なつかし・昭和レトロ 土方重巳の世界 展 キャラクターデザインの先駆者 グラフィックデザイナー

ARTLOGUE 編集部2018/09/06(木) - 02:30 に投稿

1915(大正4)年兵庫県に生まれた土方重巳(ひじかたしげみ)は、1938(昭和13)年多摩帝国美術学校(現・多摩美術大学)を卒業、東宝に入社します。

戦前の東宝映画を代表する『馬』をはじめ、原節子や榎本健一(=エノケン)が出演した映画、戦時下に製作された『決戦の大空へ』など多くの芸術的なポスターや、文化映画(劇映画ではなく、知識や教養を高める目的で製作された映画)のポスターを手掛けました。

戦後、東宝を退社した土方はフリーのデザイナーとして『大いなる幻影』や『北ホテル』、『石の花』、『靴みがき』など映画史に残る名作のポスターを描きました。また、藤田嗣治が舞台装置を手掛けたことで有名な東京バレエ団の『白鳥の湖』、藤原歌劇団によるオペラ、劇団民芸による芝居、人形劇団プークの公演ポスターやチラシなどのグラフィックデザインも手掛けました。

グラフィックデザイナーとして活躍する一方で、飯沢匡(いいざわただす)との出会いにより絵本やテレビ番組など、子どもに向けた仕事も精力的に行いました。1959(昭和34)年、NHKは日本初の未就学児を対象としたテレビ番組「おかあさんといっしょ」をスタートさせます。土方は翌年から始まる番組内の人形劇「ブーフーウー」のキャラクターをデザインしました。その後「ダットくん」や「とんちこぼうず」などの名作やヒットキャラクターを生み出したのです。

1953(昭和28)年に出版された『ねずみとおうさま』も、土方が描いた人気の絵本です。また土方は企業のためのデザイン作品も多数手掛け、現在でも使われている佐藤製薬の象をモチーフにしたキャラクター「サトちゃん」の生みの親でもあります。

本展覧会ではこれまで紹介されることのなかった土方重巳の魅力溢れる多彩な仕事を、貴重な原画、ポスター、映像などで辿ります。

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昔なつかし・昭和レトロ 土方重巳の世界 展 キャラクターデザインの先駆者 グラフィックデザイナー
展覧会ジャンル
展覧会
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