美術館の閉館について:アートをおしきせ 20180514
2009年に開館したこの美術館は、大手芸能事務所として知られる「アミューズ」と縁が深く、その名を冠しています。展示の中心は、青森県の歴史民俗研究家、田中忠三郎さんが収集した衣類や民具等が占め、身近で欠かせないものながら、日常に埋もれて消耗していく布にスポットライトをあて、そこから垣間見える営み、紡がれてきた文化を紹介してきました。収蔵品の中には伝統的な刺し子が施された貴重な衣類、また黒沢明監督の映画『夢』(1990年)に使用されたものもあるそうです。閉館の理由は、建物の老朽化。記事には「移転や国内外での巡回展などの形を検討しているという」とあり、継続して展示する道を模索することが綴られていました。
美術館の閉館。閉館だけでなく、主には財政難を理由に、規模縮小のニュースを聞くとやはり残念でなりません。
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#MeTooとアラーキー告発に見る、作品至上主義のおわりのはじまり
#MeToo 運動や元写真モデルによるアラーキー告発を見て感じるのは、作品と人権という2つのバリューの天秤の高さの今日的な変化です。MeToo運動は、TwitterやInstagramを通して拡大していったように、映画会社、プロデューサー、ディレクターが大きな影響をおよぼしていたマスメディアに代わって、SNSという個人発信の手段が可能にした運動でした。
「わたしたちは道具ではない」という映画作品や写真アートのキャストやモデルたちの主張は、それまでの創作側の作品至上主義、そしてアンタッチャブルな神聖と見なされてきた芸術作品に対する、「犯される側」からの「犯すべからざる領域」への反乱であるようにも見えます。
純文学とモデルの人権
アラーキー告発に関する記事の中に、島崎藤村(1872〜1943)の小説『新生』に登場するモデルに触れたものがありました。日本の純文学の歴史を振り返ると、藤村に限らず、登場人物のモデルとなった実在の人物(多くは女性)への人格権を侵害した事案が数多く発見できます。
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GIRLS 毎日を絵にした少女たち
塔本シスコ《アロエの花は冬に咲く》1995 年撮影:塩田洋
大正生まれのシスコ、澄子、ゑい。時を超えて描いた少女のときめき――
本展に出展する3人は、大正初期に生まれ、激動の時代を生きています。彼女たちは、不思議なことに皆、歳を重ねてから過去を追憶し、堰を切ったように大量の絵を描いています。川で遊んだ日、親戚がたくさん集まった日、妖精を見つけた日、戦時中のある日。それから妻となり、母となり、やがておばあさんとなって過ごした日々。在りし日の瞬間瞬間に宿るときめきを絵にしたためていきました。今そこにある暮らしや、過去からの出来事の一つ一つを肯定していく姿は、彼女たちによって描かれた絵のごとく美しく、歳を重ねてなお少女のようにきらきらと輝いているように見えます。3人の少女の眼を通して見つめられた大事な瞬間を伝える絵は、私たちに毎日がかけがえのないものであることを伝えてくれるでしょう。
展覧会概要
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今日は母の日ー子どもと一緒に美術鑑賞「フリートークデー」って何?:アートをおしきせ 20180513
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蘇る身体の器官から思うこと-テクノロジーとアート、身体の「拡張」:アートをおしきせ 20180512
レオナルド・ダ・ビンチ(Leonardo da Vinci, 1452~1519)による理想の人体像。
《ウィトルウィウス的人体図》1487頃、 紙にペンとインク、 34.4 cm × 25.5 cm、 ヴェネツィア、アカデミア美術館)[Public domain], via Wikimedia Commons
アメリカ陸軍で失った耳を腕で培養して再建、移植する手術が成功したと報じられていました。アメリカ陸軍の事例としては初とのことです。
参照:CNN.co.jp「腕で耳を培養、事故で左耳失った米兵に移植手術」https://www.cnn.co.jp/usa/35119000.html、2018年5月12日アクセス
移植した耳は、患者本人の肋骨から取り出した軟骨を耳の形に彫刻し、自らの腕の皮下で育成したものだそうです。
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無料で美術鑑賞!?案外あった美術館の無料開放日:アートをおしきせ 20180511
毎週金曜午後4時~午後8時の入館料が無料になるニューヨーク近代美術館(MoMA)の「ユニクロ・フリー・フライデー・ナイト」。美術館の無料開放は、日本も例外ではありません!
5月11日付の読売新聞で「中山道広重美術館、「金曜無料」で手応え」の記事を読みました。
岐阜県恵那市の中山道広重美術館が、金曜日の入館料が無料となる「フリーフライデー」を導入し、入館者数が増加したことが取り上げられていました。
「フリーフライデー」というと、ユニクロがスポンサーになって実施しているニューヨーク近代美術館(MoMA)の「ユニクロ・フリー・フライデー・ナイト」を思い出しましたが、中山道広重美術館の取り組みはここから着想を得たものだそう。ちなみにユニクロはMoMAとパートナーシップを結んで所蔵の現代アート作品をモチーフにした商品を販売しています。無料開放といい、アート作品を取り入れたファストファッションといい、肩の力を抜いてアートと親しめる試みですね。
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美術館4コマ漫画『ミュージアムの女』<br>「甘いわな」「ミュージアムの恋人」第31話~第40話<br>by 岐阜県美術館©︎宇佐江みつこ
美術館には必ずいる監視員さん。そんな監視員さん達の日常を描いた美術館4コマ漫画『ミュージアムの女』の連載です。
『ミュージアムの女』 目次
第31話「立つ理由」
第32話「油断」
第33話「おもてなし」
第34話「甘いわな」
第35話「チームプレー」
第36話「見えない物語」
第37話「ミュージアムの恋人①」
第38話「ミュージアムの恋人②」
第39話「朝のはぢまり」
第40話「救世主」
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諸橋近代美術館
ごあいさつ
公益財団法人 諸橋近代美術館
館長 諸橋 英二
公益財団法人諸橋近代美術館は、ゼビオ株式会社(本社:福島県郡山市 東証一部上場 スポーツ用品小売業)の創立者 諸橋廷蔵(もろはしていぞう)(1934~2003)が約10年に亘り収集した美術作品と美術館用地、建物等を「広く多くの方に西洋近代美術の秀作の数々を鑑賞し、感動していただきたい」という意思のもと同財団法人に寄付し、1999年に故郷である福島県の景勝地、会津磐梯高原に開館しました。
少子高齢化と拝観料…そして美術館:アートをおしきせ 20180510
さすが「いらすとや」さん。少子高齢化でもイラストが…ある!
5月8日の毎日新聞の記事で神社仏閣の拝観料の値上げが続いていることが取り上げられていました。
大幅な値上げとはいえないものの、京都や奈良といった神社仏閣が多く集まっている都市では、1度に複数の場所を巡る人も多く、拝観料だけでばかになりません。
値上げの理由としては整備、修理だけでなく、防犯対策も含めての費用負担が述べられていましたが、それとともに挙げられていた「少子化」というキーワードがひっかかりました。修学旅行生の人数が減り、収入が減ってきているとのこと。
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