ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー

ARTLOGUE 編集部2017/11/30(木) - 23:27 に投稿
The Carnie   2010 写真撮影: 木奥惠三

 

ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーは、高度な音響・メディア技術と独創的な造形を駆使して、「聞く」「見る」といった複合的な知覚経験を伴う独特な世界を創り出します。いったん、彼らの作品世界に足を踏み入れると、まるで魔法にかけられたかのように、見えないものが見え、聞こえない音が聞こえるかのように、一瞬で現実を飛び越えて彼らの物語に没入してしまいます。
本展では日本初公開作品となる8点のインスタレーションをご紹介します。一つひとつの展示室が独立した、ユニークな構造を持つ金沢21世紀美術館の空間を生かし、ひとつの展示室でひとつの作品を展示していますが、全体は作品ごとに違う物語が共鳴するように展開しています。つくり込まれた作品の細部に至るまで、見て聞く楽しみは尽きることがありません。知覚や価値観を揺さぶられながら、次々と現れる物語の世界をゆっくりとお楽しみください。世界的に高い評価を得ているジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの作品世界を余すこと無く体験できる、絶好の機会となることでしょう。

 

若手芸術家支援企画1floor 2017 「合目的的不毛論」

ARTLOGUE 編集部2017/11/30(木) - 21:20 に投稿
澤田華「Gesture of Rally #1705」2017

 

神戸アートビレッジセンター(KAVC)では30歳未満の若手芸術家を支援する公募企画「1floor(ワン・フロア)」を2008年より開催しています。記念すべき10回目の今回は、大前春菜、菊池和晃、澤田華の3名が、当センターの1階に向かい合う「KAVCギャラリー」とコミュニティースペース「1room」を1つの空間と見なし、展覧会実施における様々な要素と対話しながら展示空間を創り上げます。

絵画の現在 

ARTLOGUE 編集部2017/11/29(水) - 14:13 に投稿
津上みゆき《View, Tokyo Merry-go-round, Winter, 2017》 2017年 個人蔵
顔料、アクリル、リネン 227.3×181.8cm
courtesy of HASHIMOTO ART OFFICE photo: 長塚秀人

 

現代の絵画を積極的に紹介してきた当館の成果を継承し、未来へつなげる企画です。1990 年代から2000 年代の20 年間に制作の基礎を培った作家7 組の絵画への取り組みを解読し、彼らが制作を通して問うている、「絵画の現在形」を探ります。出品作家はみな地域との縁(出身、多摩地域の大学の卒業生、在住等)を持っています。美術大学やアトリエが多く集まるという多摩地域の特性や、その中に位置する府中市美術館の活動の特徴など、さまざまな形で「多摩発」の美術を提案していきます。

 

展覧会の見どころ

 

1 今日のわたしに、会いに行く

ニッポンの写実 そっくりの魔力

ARTLOGUE 編集部2017/11/29(水) - 00:46 に投稿
上田薫 「玉子にスプーンA」 1986(昭和61)年 豊橋市美術博物館蔵

 

何かにそっくりなものを目にしたとき、私たちは「すごい!これ、本物?」と、素朴なおどろきをおぼえます。目に見えるものをあるがままに再現したいという欲望は、私たちの心に深く根ざした、古くて新しい感情なのではないでしょうか。

初期の洋画家たちは、西洋美術の流入を刺激として、再現的描写技法の獲得につとめました。明治の外光派は、自らの感覚に忠実に現実の世界を再現しようとし、続く世代の画家たちは、求道的ともいえる厳しい態度で、対象の本質に迫ろうとする動きも出ました。絵画の表現としての「写実」へのアプローチは異なりますが、感覚に直接はたらきかけるような現実感を求めたという点で、いずれも、「そっくり」であることの魔力に魅入られた画家たちだといえるでしょう。

TOP Collection アジェのインスピレーション ひきつがれる精神

ARTLOGUE 編集部2017/11/28(火) - 22:00 に投稿
ウジェーヌ・アジェ《日食の間》 1912 年 ゼラチン・シルバー・プリント

 

写真の歴史に燦然と輝く、 ウジェーヌ・アジェの功績

本展覧会はフランスの写真家、ウジェーヌ・アジェ(1857-1927)が後世の写真表現にどのような影響を 与えたかについて考えます。当館所蔵の作品と写真集などの資料によって、アジェ自身の作品とアジェ以 降の写真家たちの際立った作品を中心に、その輪郭を浮び上がらせようとするものです。 ウジェーヌ・アジェは 19 世紀末から 20 世紀初頭にかけて、パリとその周辺を捉えた写真家です。1898 年、41 歳の時から 30 年間にわたって 8,000 枚以上の写真を撮影し、歴史的建造物や古い街並み、店先や 室内、看板、公園、路上で働く人々など、近代化が進み、消えゆく運命にあった「古きパリ」を体系的に 記録し、図書館や美術館、博物館などの公的機関や画家、建築家等のアーティストたちに販売しました。 その顧客にはレオナール・フジタもいます。