瀬戸内国際芸術祭2019

宮永愛子:漕法

ARTLOGUE 編集部2019/07/26(金) - 19:07 に投稿

日本の現代美術の次代を担う宮永愛子による、四国初の大規模個展を開催。

常温で昇華するナフタリンなどを素材に「変わりながらも存在し続ける世界」を表現する現代アーティスト・宮永愛子。近年国際的に大きな注目を集める彼女は、瀬戸内国際芸術祭2019の出品作家としても選出されています。

同展では、瀬戸内の景色やそこで暮らしてきた人々が積み重ねる時間をテーマに、澄んだ音色を奏でる讃岐名石「サヌカイト」を素材とする新作インスタレーション、代表的なシリーズである《手紙》や《life》などを展示します。

宮永は、不断に変化する世界と向き合う私たち一人ひとりを、海に浮かび旅する一艘の舟に重ねます。展覧会タイトル「漕法(そうほう)」とは舟を漕ぐ方法を意味する言葉。果てしない年月のなか、私たちを取り巻く島々は揺らぎながら変化を続けます。そして、私たちもまた日々を紡ぎ、懸命に世代を重ねていくことで景色を少しずつ変えていくのです。

海の結ぶ景色や時間の痕跡を想起させる、宮永独自の世界をお楽しみください。
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夏会期スタート!瀬戸内の海と自然を堪能するアートな夏「瀬戸内国際芸術祭2019 あつまる夏」

芝田 江梨2019/07/25(木) - 08:30 に投稿

瀬戸内海の島々を舞台に、瀬戸内ならではの美しい風景と現代アートを楽しめる「瀬戸内国際芸術祭」。

「ふれあう春(会期:2019年4月26日(金)~5月26日(日)」)」を経て、いよいよ「あつまる夏(会期:2019年7月19日(金)~8月25日(日))」が始まります。

今回は夏の期間にお目見えする新作を中心に、「瀬戸内国際芸術祭2019」の魅力をお伝えします。

 

■大島

穏やかな海に囲まれた大島。船から降り立つと、美しく広がる白い砂浜、緑濃く木陰が心地よい松林が出迎えてくれます。

夏会期に向け、この島で新たに制作された新作は、田島征三さんの《「Nさんの人生・大島七十年」-木製便器の部屋-》と「やさしい美術プロジェクト」の《稀有の触手(けうのしょくしゅ)》、山川冬樹さんの《海峡の歌/Strait Songs》、そして鴻池朋子さんの《物語るテーブルランナー in 大島青松園》です。

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大島には、ハンセン病の国立療養所「大島青松園」があります。日本では約90年にわたって患者の隔離政策が続けられ、多い時には700名をこえる入所者の方が暮らしていたといいます。