近代美術

コレクション展 モダンなフォルム

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 12:47 に投稿
同館の名称にも掲げられた「モダン」(近代)という言葉。日本では一般に「現代的」、転じて「洒落た」イメージを指して使われ、一方では「モダン」という言葉自体がもはや「レトロ」な響きをも感じさせますが、本来は「新しさ」を意味するものです。 古典的な美や、それまでの潮流に対する新しさを追求した表現は、つねにモダンなものであったといえます。彫刻に斬新なユーモアや合理性を込めた堀内正和の個展にあわせて、絵画、彫刻、デザインなどの所蔵作品と資料から、各時代の作家たちが試みた「新しさのかたち」を展覧します。

ドアノーの愛した街パリ<br>ROBERT DOISNEAU 展

ARTLOGUE 編集部2018/12/08(土) - 20:30 に投稿

ロベール・ドアノー は世界で最も人気のある20世紀を代表する写真家です。パリ郊外のジョンティイに生まれ、石版画を学んだ後、18歳頃より本格的に写真の世界に入ります。雑誌『ヴォーグ』や『ライフ』などに写真を提供し、短編映画の制作に携わる傍ら、生涯に渡りパリとパリに生きる人々を撮影し続けました。

雑踏の中を自由に歩き廻りとらえた数々の情景は、ドアノーの持つ洗練されたエスプリとユーモアで鮮明に写しだされています。カメラという機械を感じさせない彼の写真は、まるで一瞬のドアノー自身のまばたきであるようです。「写真は創るものではなく、探すものだ」というドアノーの言葉の中に、数々の作品を生み出していった彼の確たる姿勢が感じられます。

本展は、何必館コレクションの中から、「子供達」「恋人」「酒場」「街路」「芸術家」の5つのテーマで構成し、サイン入りオリジナルプリント約60点の作品を展覧いたします。この機会に是非ご高覧下さい。

何必館・京都現代美術館長 梶川 芳友



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「不思議の国のアリス展」神戸展

ARTLOGUE 編集部2018/12/07(金) - 21:55 に投稿

イギリスの作家、ルイス・キャロルの名作「不思議の国のアリス」は誕生から約150年を迎え、すでに170もの言語に翻訳され、初版から毎年途切れることなく出版され続けている世界的ベストセラーとなっています。少女アリスが迷い込む不思議な世界とキャラクターは、今もなお、国や地域、年齢を問わず多くの人を魅了し続けています。

本展は「不思議の国のアリス」の原点や、現代に至るまで、様々な分野に影響を与え続けるこの物語の魅力を、日本初公開を含む貴重な作品と共に紹介します。

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アナザー・ストーリー /人の数だけ、物語がある。

ARTLOGUE 編集部2018/12/05(水) - 14:33 に投稿

マリー・ローランサンの《扇を持つ若い女》(1913年)、パブロ・ピカソの《首飾りをつけたジャクリーヌの肖像》(1959年)、アンディ・ウォーホルの《マリリン・モンロー(マリリン)》(1967年)。いずれも、30歳前後の女性の顔をクローズアップしています。人生の激動期を迎えていた画家ローランサン自身の30歳の顔、14年後にピカソの最期を看取ることになるジャクリーヌ・ロック32歳の顔、そしてアメリカ中の憧憬を集めながら1962年に36歳という若さで亡くなった女優マリリン・モンロー27歳の顔です。異なる時空を生きた同年代の女性たちをめぐる物語が、優れた芸術家たちの手によってそれぞれ鮮やかに立ち上がっています。

本展覧会では、高崎市美術館のコレクションから「もうひとつの物語」を秘めた作品たちを選び、「人生の中の顔」「物語る絵画たち」「戦争と美術」などをキーワードとして読み解いていきます。

岡本太郎と『今日の芸術』<br>絵はすべての人の創るもの

ARTLOGUE 編集部2018/12/03(月) - 19:26 に投稿

《太陽の塔》やTV・ラジオ出演などを通して文化的アイコンとなった岡本太郎。彼は戦後に数多くの芸術論を残し、とりわけ1954年の著作『今日の芸術』は、創造的に生きるための入門書として、美術書としては異例のベストセラーになりました。

太郎は本書において、「芸術は万人によって、鑑賞されるばかりでなく、創られなければならない」と述べました。自分たちの感性で芸術に触れ、自分たちの手で文化を作り上げていくことを訴えかけたメッセージは、同時代の若者や芸術家を挑発しました。

本展では、太郎が『今⽇の芸術』以降、戦後社会に与えたインパクトを検証します。岡本太郎の作品・映像資料のほか、彼に刺激を受けた芸術家たちの作品を通し、今もなお私たちを⿎舞する太郎の思想を読み解きます。

2018年3⽉には、前橋・広瀬川河畔に《太陽の鐘》が設置されました。「森羅万象が叫ぶような、あらゆる⾳を⽴てる」鐘とともに、岡本太郎の世界を体感してみませんか?

出品作家:
岡本太郎/⾚瀬川原平/池⽥⿓雄/北代省三/篠原有司男/関⼝光太郎/⾼松次郎/⽴⽯⼤河亞/パブロ・ピカソ/アンリ・マティス/村上善男/ヤノベケンジ/横尾忠則 ほか

名画の時間

ARTLOGUE 編集部2018/11/22(木) - 14:53 に投稿

ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)では、絵画に描かれた「時間」の表現に焦点を当てる「名画の時間」展を12月8日(土)より開催します。絵画作品は時間と共に変化することも動き出したりすることもありません。しかし、絵画に描かれた世界にはいくつもの「時間」が表現されています。わずかな時間を閉じ込めた「瞬間」だけでなく、同時代のモティーフを取り入れることで表される特定の「時代」や、文学作品と交わることで生まれる「物語性」など、その表現方法はさまざまです。形を持たない「時間」とは、絵画においてどのように表現されるのでしょうか。近代において大きく変化した時間の概念は、人々の生活だけでなく画家たちの表現にも影響を及ぼしています。本展覧会は、ポーラ美術館が収蔵する珠玉の作品のなかから、絵画に描かれた「時間」の表現に焦点を当て、画家たちの探究の軌跡を辿ります。

本展では、特別企画としてフラワーアーティストとして活躍する東信(あずま・まこと)がポーラ美術館収蔵の花の絵画とコラボレーションした映像作品「Drop Time」シリーズを展示します。本作は、《菊》(黒田清輝 1912年(大正元年))、《アネモネ》(ピエール・オーギュスト・ルノワール 1883-1890年頃)、秋の

エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し

ARTLOGUE 編集部2018/11/20(火) - 17:49 に投稿

両大戦間期と言われる1920~30年代のフランスでは、美術や、ファッション、宝飾、家具などの装飾に新しい美意識が生まれました。本展は、「アール・デコ」と呼ばれるこの時代の装飾スタイルにおける新しい時代感覚すなわち「モダン」の源の一つとして、「エキゾティック」な要素に着目したものです。

20世紀初め、ファッションに革命をおこしたポール・ポワレによる中近東やアジアを着想源とした衣服、1922年のツタンカーメン王墓の発見を機とするエジプトブームを反映したジュエリー、漆芸家の菅原精造に学んだジャン・デュナンの工芸品、あるいは東洋に倣った陶磁器など、アール・デコの作品では形、素材、技術の面において、非ヨーロッパ圏の芸術を応用した作例が見出されます。

この時代の異国は、夢見るものから自ら赴く場所へと変化していました。シトロエンによるアフリカ縦断・アジア横断クルージング、植民地での美術学校創設、留学奨励などにより現地に取材した芸術家たちが、ダイナミックな絵画、彫刻を生み出します。パリでは、アメリカの黒人歌手・ダンサーのジョセフィン・ベイカーの活躍や、1931年の「国際植民地博覧会」開催、珍しい動物がもたらされた動物園の人気など、エキゾティックで活力あるシーンが都市を賑わせました。

サラ・ベルナールの世界展 ─ ロートレック・ミュシャ・ラリックとともに ─

ARTLOGUE 編集部2018/11/03(土) - 02:30 に投稿
19世紀末から20世紀初頭にかけて、演劇・芸術・ファッションで人々を魅了していた大女優サラ・ベルナール(1840/1844-1923)。彼女は、アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)が一躍パリで売れっ子のデザイナーになるきっかけとなった人物です。本展はサラ・ベルナールを大々的に紹介する日本初の巡回展です。サラ・ベルナールの芸術と栄光、その社会的影響を、写真、肖像画、ポスター、そして、ミュシャ、ラリック、ロートレックなど同時代の作品を通じて再発見し、その足跡を辿ります。

ウィーン・モダン<br>クリムト、シーレ 世紀末への道

ARTLOGUE 編集部2018/11/01(木) - 02:30 に投稿
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンでは絵画や建築、デザインなど、それぞれの領域を超えて新しい芸術を求めた、ウィーン独自の装飾的で煌(きら)びやかな文化が開花しました。本展はウィーンの世紀末文化を「近代化(モダニズム)への過程」という視点から紐解く、新しい試みの展覧会です。18世紀の女帝マリア・テレジアの時代の啓蒙思想がビーダーマイアー時代に発展し、ウィーンのモダニズム文化の萌芽となって19世紀末の豪華絢爛な芸術運動へとつながっていった軌跡をたどる本展は、ウィーンの豊穣な文化を知る展覧会の決定版といえます。

シャルル=フランソワ・ドービニー展 ゴッホが愛した風景画家

ARTLOGUE 編集部2018/10/31(水) - 02:30 に投稿

シャルル=フランソワ・ドービニー(1817-78)は、当館の所蔵作品を代表するゴッホ「ドービニーの庭」に描かれた邸宅と庭の主であり、ゴッホが敬愛したバルビゾン派の風景画家です。実際にはバルビゾン村以外にもノルマンディー地方やオワ―ズ川の周辺を数多く描いており、ゴッホが最後を迎えたオーヴェール=シュル=オワーズを拠点に活動しました。

印象派の先駆者と言われ、船で旅をしながら描いたという穏やかな河辺の風景画で知られています。本展は、ドービニーの日本ではじめての本格的な個展で、国内外の所蔵のドービニー作品を中心に紹介します。