近代美術

印象派、記憶への旅

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:42 に投稿
ポーラ美術館とひろしま美術館のコレクションは、西洋の近代美術展開をたどるうえで、重要な画家の重要な作品を収集したもので、とくに印象派絵画には優れた作品が数多くみられます。質、量共に充実した両館のコレクションは、戦後に形成されたフランス近代美術のコレクションとして国内外でも重要な位置を占めるものです。本展覧会は、両館のフランス印象派の風景画を中心に、ドラクロワやコローからピカソ、マティスまで73点の名品を選び、19世紀の画家たちの旅と記憶、都市や水辺の風景に向けられた画家たちの視線、風景の印象や移ろいゆく光の表現が留められたかたちや色彩などを探ります。また、最後のセクションでは、絵画にとどめられた画家の制作過程や技法の痕跡=記憶を、文献調査や最新の光学調査によって呼び覚まし、作品の新たな魅力として紹介します。

山種美術館 広尾開館10周年記念特別展 生誕130年記念 奥村土牛

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:41 に投稿
1966(昭和41)年、東京・日本橋兜町に開館した山種美術館は、2009(平成20)年10月、渋谷区広尾に移転して新美術館をオープンしました。 2019年、広尾開館10周年を記念する特別展第一弾として、当館と縁が深く、同年に生誕130年を迎える日本画家・奥村土牛(おくむらとぎゅう)(1889-1990)に焦点をあてた展覧会を開催します。 当館の創立者・山﨑種二は、「絵は人柄である」という信念のもと、画家と直接関わり合うなかで作品を蒐集しました。 特に土牛とは親しく、まだ無名だった研鑽時期の支援から約半世紀にわたり交流を続けた結果、現在、当館は135点に及ぶ屈指の土牛コレクションで知られています。 本展では、《醍醐》《鳴門》などの代表作をはじめ、再興院展の出品作を中心に約60点を展示し、土牛の画業をたどります。 80歳を過ぎてなお「死ぬまで初心を忘れず、拙くとも生きた絵が描きたい」と語り、精進を重ね、100歳を超えても絵筆をとり続けました。 山種美術館が広尾開館10周年を迎え、当館と縁の深い奥村土牛が生誕130年となるこの機会に、清らかで温かみ溢れる土牛芸術をご堪能ください。

椿つれづれ

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 19:55 に投稿

資生堂アートハウスにて、収蔵品の中から椿の花をモチーフにした絵画や工芸品、古美術による展覧会が開催されます。

椿は永い年月に亘って日本人に愛されてきた花樹で、古くは万葉集に詠まれ、花のみならず枝や葉、その実までが衣食住に結び付き、人々の生活と深くかかわってきました。わが国の風土に適応した椿は、野生種から栽培種までが広く国内に分布し、永く続く花期は花の少ない季節に人の心を和ませる、貴重な存在でもありました。また、四季を通じて艶やかな緑を保つ葉は不老につながり、さらには迎春や結縁を象徴する縁起の良い花として、さまざまな分野の美術品に採り上げられてきました。

今回の展覧会では、横山大観や山口蓬春、小村雪岱らによる日本画をはじめ、鳥海青児、林 武などの油彩、北村昭斎、十三代 今泉今右衛門、田村耕一らによる漆芸や陶芸に加え、資生堂企業資料館のコレクションから、椿百余種をさまざまな調度類と共に描いた『百椿図』(古写本・江戸時代)や、江戸時代に制作された、松椿蒔絵の化粧道具や調度類などを展示いたします。

江戸時代のどうぶつたち

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:39 に投稿
人々の好奇心が自然や様々な生き物に向けられた江戸時代。動物は現代と同じように世間の関心を集め、親しまれてきました。テレビもスマホも動物園もなかった当時、海を渡ってやってきた珍しい動物の見世物が人気を呼び、たくさんの動物たちの絵が描かれました。江戸時代の人々が惹きつけられた動物たちは、とてもかわいらしく、美しく、ユニークに描かれており、動物たちへの想いは今も昔も変わらなかったことが分かります。 今回の企画展「江戸時代のどうぶつたち」では旧平戸藩主・松浦家のコレクションから、絵画や書物に描かれた動物たちや、動物モチーフの美術工芸品を一堂に展示します。愛らしく、魅力的な動物たちとの出会いをお楽しみください。

洋画から新日本画へ 山口蓬春の飽くなき挑戦

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:26 に投稿
日本画家・山口蓬春(1893-1971)の画業を顧(かえり)みるとき、ひときわ特徴的なのは、本格的に油彩画を学んだ後に日本画家になったということでしょう。 少年の頃より水彩画に熱中し、白馬会絵画研究所で油彩画を学んでいた蓬春は、東京美術学校(現・東京藝術大学)西洋画科に入学、在学中にその才能を開花させます。 しかし、自身の日本画への可能性を見出した蓬春は、改めて日本画科へ転科、首席で卒業したときには30歳になっていました。 その後、日本画家としての頂点を極めた蓬春でしたが、「はじめ日本画をやっているときは、油絵の技法というものがどうもじゃまになりましたね。それに当時は印象派がはいってきたときですがね、観察方法から画題の選び方までずいぶんなやみました。」(『サンケイ新聞夕刊』昭和40年〔1965〕12月14日)と語るように、その道のりは平坦ではありませんでした。 しかし、自らの芸術に真摯に向き合い、あらゆる美の知識を貪欲に吸収しながら、たゆみない努力を続け、ついに蓬春は、自らの目指すものとしてこれまでにない「新日本画」の創造に到達します。 そして晩年に至り、「油絵と日本画はそもそも絵の具がちがう。その絵の具を使って日本画は装飾性を発達させてきたし洋画は写実を追究してきた。(中略)日本画の顔料が持つ特殊性これを生かさないと。」(『富山新聞夕刊』昭和40年(1965)6月14日)と語る言葉には、油彩画と日本画という二つの世界を知り、その狭間で苦悩したからこそ得られた本質への深い理解があり、そのことが「新日本画」創造への原動力となったともいえるでしょう。 蓬春は、若かりし頃に描いた油彩画を戦時中も手放すことなく生涯大切に所持していました。 そこには蓬春のどんな想いが託され、それらの油彩画は私たちに何を伝えてくれるのか―。 蓬春芸術の出発点ともいえる油彩画と戦前戦後を通じた日本画を一堂に会し、通観することで「新日本画」に込められた蓬春の世界観とその魅力を探ります。

神戸ゆかりの芸術家たち 素描コレクション展2 特集:小松益喜の中国・ロシア風景

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:22 に投稿
阪神・淡路大震災(1995)で被災した小松益喜(1904~2002)のアトリエから救出された作品群は、神戸市へ寄贈され、のちに当館コレクションとなりました。 2016年、その中から神戸市の姉妹都市であるラトヴィア共和国リガ市のスケッチ(1975)を特集展示しました。 今回は現在の中国、台湾、ロシアの風景を紹介します(初公開多数)。 1936年、小松は大連(旧・満州国)を訪れました。 1938年3月には小磯良平・中村鉄と台湾へ写生旅行に赴いています。 台湾は日清戦争後に割譲され、日本が統治していました。当時の画家たちにとって、陽光に満ちたエキゾティックな風景を描くことができる内地旅行だったのです。 第二次世界大戦後は、まだ旅行に制限があった旧ソ連(現・ロシアなど)に行っています。 1969年11~12月にモスクワ、レニングラード(現・サンクトペテルブルク)を訪れ、寒さを感じさせるスケッチを残しました。 各地の風光を捉えた素描は歴史的にも価値があり、おいそれとは再訪して描けないため、作家の宝物でした。 また、描かれて80年の間に世界は大きく変わり、国名は変化、そのことがリアルに伝わります。貴重な素描の作品群と1年ぶりの公開となるアカデミー・バー壁画、油彩画、あわせて約120点を展示します(会期中大幅に展示替をします)。 前期:12月18日~2月11日、後期:2月14日~4月7日

collection2  カリカチュールがやってきた  9世紀最高峰の諷刺雑誌

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:22 に投稿
1830年に創刊された記念碑的な絵入諷刺雑誌『カリカチュール』。 七月王政を相手にルイ=フィリップ王を梨の姿で描くなど、ブラック・ユーモアに満ちた諷刺画で一世を風靡しました。 本展ではドーミエとともに両輪を担ったグランヴィル(1803−1847)を軸に諷刺画の黄金期を築いた『カリカチュール』誌を紹介、また後年、夢想的な挿絵画家へと転身し、シュルレアリスムの先駆となったグランヴィルの軌跡にも迫ります。

百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術-

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:20 に投稿
本展は、1910年代から現在までの百年にわたる日本の美術について、編集的な視点で新旧の表現を捉えて独自の創作を展開した編み手である作家たちの実践として、東京都現代美術館のコレクションを核に再考するものです。日本の近現代美術史のなかに点在する重要な作品群を、当館の3フロアの展示室全体を使って総覧することで、百年にわたる歴史の一側面があきらかになるでしょう。

世紀末ウィーンのグラフィック<br>デザインそして生活の刷新にむけて

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 12:52 に投稿
1897年の分離派結成から1914年の第一次世界大戦勃発までのウィーンでは、グスタフ・クリムトやヨーゼフ・ホフマンらを中心に、新しい時代にふさわしい芸術そしてデザインのあり方が模索され、数多くの素晴らしい成果が生まれました。中でもグラフィックの分野は、印刷技術の発達や雑誌メディアの隆盛を背景に、新しい芸術の動向を人々に伝え、社会に浸透させる重要な役割を担いました。本展では、300件にのぼる膨大なコレクションの全貌を紹介するとともに、同じく平明氏旧蔵のリヒャルト・ルクシュによる石膏彫像と貴重なアドルフ・ロースの家具一式をも加え、世紀末ウィーンの息吹と魅力をお伝えします。 本展では、300件にのぼる膨大なコレクションの全貌を紹介するとともに、同じく平明氏旧蔵のリヒャルト・ルクシュによる石膏彫像と貴重なアドルフ・ロースの家具一式をも加え、世紀末ウィーンの息吹と魅力をお伝えします。