油彩

福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ

ARTLOGUE 編集部2019/01/15(火) - 10:46 に投稿

2018年に生誕120年を迎えた福沢一郎(1898-1992)。 1930年代の日本にシュルレアリスムを紹介し、前衛美術運動のリーダーとして活躍しました。戦時中は弾圧を受けますが、戦後は再び社会批評的な視点から人間群像の大作に取り組み、晩年は文化勲章を受章するなど波乱の人生を歩みました。 福沢は「謎めいたイメージ」の中に込めた知的なユーモアによって、社会の矛盾や人びとの愚かな行いを諷刺的に笑いとばしました。本展では油彩・素描・写真など約100点の作品から、福沢が時代の中でどのように社会と向き合い表現したのかを今日的視点から見直し、彼の作品を再評価していきます。 いかなる社会状況にあっても、エスプリの効いた社会批評をしたたかに続けた福沢の表現は、普遍的な人間批評の実践として、私たちが現在直面している表現や言論をめぐる様々な状況を考えるヒントを与えてくれるでしょう。 会場では担当学芸員による鑑賞ワークシートをご用意。福沢のシュールでユーモアにあふれたイメージを、いつもとちょっと違った角度から、謎解き気分でご覧いただけます。

辰野登恵子 オン・ペーパーズ

ARTLOGUE 編集部2018/10/13(土) - 11:38 に投稿
1950 年に長野県岡谷市に生まれ、東京藝術大学に学んだ辰野登恵子は、1970 年代にドット(点)やグリッド(格子)、ストライプなどの規則的なパターンを用いて、理知的で抑制された表現の版画を発表し、若くして注目を集めました。これまでまとまった展観の機会が限られていた紙の仕事を中心に、油彩 30 点を含む約 220 点の作品で 40 年余りの軌跡を振り返るこの展覧会が、辰野の画業のクロノロジーに新たな視座を与えてくれるはずです。