古美術

開館20周年記念展 堀江友聲 ― 京に挑んだ出雲の絵師

ARTLOGUE 編集部2019/03/20(水) - 02:36 に投稿
「堀江友聲」(1802-1873)という絵師の名は、全国ではほとんど知られていないでしょう。その一方で、島根県東部を中心とした一部の地域では、今日まで熱烈に愛好されてきました。そんな堀江友聲の回顧展としては36年ぶりとなる本展では、友聲が、諸国遊歴を経て京都の名門・海北家の養子となった青年期から、丹後国宮津で勇躍した壮年期、そして出雲国広瀬藩の御用絵師となった晩年期までの各期の代表作を一堂に展示します。

重要文化財東寺学衆方評定引付修理完成記念「東寺文書をまもり伝える」

ARTLOGUE 編集部2019/03/14(木) - 02:34 に投稿
東寺に伝来した文書は、東寺文書と呼ばれ、わが国でも最高の古文書群の一つです。政治・経済・社会・文化のあらゆる分野を網羅し、日本中世史研究の第一級の資料です。東寺では、宝蔵や西院御影堂において、各組織や庄園の箱にわけて、厳重に保管・管理されていました。特に御影堂に伝わった文書は、重要なものが多く、江戸時代に巻子や掛幅に仕立てられました。これが現在の重要文化財東寺文書六芸之部、千字文之部、五常之部などにあたります。 また、東寺の各組織には、「引付」と呼ばれる議事録が多く伝わりました。学衆方評定引付は、学衆方という教学組織の会議録で、廿一口方、鎮守八幡宮方の引付とともに東寺を代表する引付です。東寺所蔵の学衆方評定引付は101冊あり、主として室町~戦国時代のものです。虫損やいたみが激しいものもみられたため、平成二十四~三十年に国庫補助事業による修理が行われました。 今回の特別展では、重要文化財東寺学衆方評定引付の修理完成を記念して、東寺文書のかたちと保存に焦点をあてて、様々な文書を選りすぐり展示します。この特別展を機に東寺千二百年の寺宝に触れていただければ幸いです。

横浜開港160年 横浜浮世絵

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 02:33 に投稿
2019年は横浜開港から160年となります。これまで横浜では折に触れ、開港当時を振り返ってきました。当時の人々の関心に応えるべく出版された「横浜浮世絵」は開港当時を物語る資料の一つです。「横浜浮世絵」とは開港をきっかけとして新しく造られていった横浜の街、来日した外国人たちの自分たちとは異なる容姿や生活を描いた浮世絵にはじまり、明治期に、さらに洋風に整備されていった街や鉄道などを描いて出版された一連の作品群を指します。描かれた表現がすべて事実というわけではありませんが、当時の人々の旺盛な好奇心に応えて描かれた表現は、国際都市横浜のイメージの原点といえます。 この展覧会では開港160年を機に神奈川県立歴史博物館と川崎・砂子の里資料館の所蔵作品を中心に横浜浮世絵を紹介します。当館において横浜浮世絵の特別展は20年ぶりの開催です。約330点の作品を前期、後期で入れ替えて、「横浜浮世絵」の全容をご覧いただきます。さらに開港の場であった横浜の歴史を後世に伝えようとする二人のコレクター、当館の丹波恒夫と川崎・砂子の里資料館の斎藤文夫の心意気をも感じ取っていただければ幸いです。

特別企画「陶の花 FLOWERS」展ー春、美術館でお花見

ARTLOGUE 編集部2019/03/09(土) - 02:34 に投稿
花は古来より世界各地の様々な芸術のジャンルにおいて表現されてきました。近世のやきものにおいては花の吉祥文様が器を彩り、また近代には様々な花の陶製タイルが近代建築を豊かに彩りました。そして現代陶芸においても、植物が持つ生命力、美しさ、儚さなどにインスピレーションを受ける作家は多く、それぞれの思いをもって表現をおこなっているのです。本展では、「花」を入り口に様々な時代の陶による表現の世界を探ります。

企画展「何が入る?何を入れる?箱・器・袋」

ARTLOGUE 編集部2019/03/07(木) - 02:35 に投稿
「箱・器・袋」 これらは全て中に物を入れたり、盛り付けたりして使うもので、従属的な役割を果たす道具です。しかし、使用する状況や中に入れる物が持つ意味合いや格式などを明確に際立たせるのも、これらの道具の特徴といえるでしょう。 箱や器、袋は、持ち主の権威や格式、美意識をあらわすものでもあります。 仙台藩主伊達家に伝わった「太刀 備前長船元重」は太刀自体も名刀ですが、拵から太刀を収める刀箱に至るまで家紋が蒔絵された絢爛豪華な細工が施されています。また、館蔵の茶道具「瀬戸肩衝茶入 銘 淀」は何重もの箱に入り、様々な裂に包まれ大切に伝えられています。 本展では、漆の箱、やきものなどの器、そして箱・器・袋が複合した価値を持つ茶道具、さらに大名家に伝わった道具とそれらを収納する箱や袋などを、資料とあわせてごらんいただきます。

与謝野晶子の満蒙旅行

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:35 に投稿
2018年は、晶子と夫の寛が旧満州と内蒙古(中国)へ旅行にでかけて90年となります。本展では、与謝野夫妻が南満州鉄道株式会社社員の古澤幸吉に宛てた書簡をはじめ、与謝野夫妻自筆の歌掛軸や短冊などの初公開資料をお借りして展示いたします。 講演会 「与謝野寛・晶子の満蒙旅行」 日時:3月21日(木・祝)午後1時30分~午後3時 会場:さかい利晶の杜 講座室 講師:田口道昭氏(立命館大学教授、与謝野晶子倶楽部運営委員) 参加費:300円(展示観覧含む) 申込:要事前予約。さかい利晶の杜ホームページよりお申込みください。

2019年春季展 ある日の都路華香

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:34 に投稿
都路華香は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家です。円山派、四条派の流れを汲む幸野楳嶺の門人で、菊池芳文、谷口香嶠、竹内栖鳳とともに「楳嶺四天王」として知られます。 松花堂庭園内の泉坊書院(京都府登録文化財)には、華香の筆になる山水図襖絵(19面)があります。泉坊書院は、明治時代に現在の場所に移築されたもので、襖絵の制作時期もその頃と考えられます。華香の若かりし頃の代表的作品といえるものです。 この度の展覧会では、襖絵の一部を美術館にて初公開します。あわせて、華香作品の魅力をご紹介するべく、作品やスケッチなど約40点を展示いたします。 ※会期中、展示替えをおこないます 前期:3月21日(木・祝)~4月14日(日) 後期:4月16日(火)~5月12日(日)

狩野派の画人たち ― 原六郎コレクションの名品

ARTLOGUE 編集部2019/03/02(土) - 02:30 に投稿
室町から江戸まで、ほぼ4世紀にわたって画壇に君臨した狩野派は、近世日本美術史を代表する画家集団で、これらの作品は原六郎コレクションにも多数含まれています。本展は「三井寺旧日光院客殿障壁画」と「狩野派寄合書」を中心に、狩野派の画人たちによる絵画表現の魅力をご鑑賞いただきます。

女・おんな・オンナ~浮世絵にみるおんなのくらし

ARTLOGUE 編集部2019/02/20(水) - 02:41 に投稿
浮世絵に描かれた女性というと、まず「美人画」を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに、江戸時代、女性は鑑賞され、美しく描かれる対象でした。しかし、そうした彼女たちにも人生があり、生活がありました。この展覧会では、江戸時代に生きた女性たちの「くらし」の様相を、描かれたもの、記録されたものなどから探ります。公家・武家・農民・町人・商人・遊女など、多様な階層の女性たち。彼女たちが何を身にまとい、働き、学び、楽しみ、どのように家族をつくったのか。本展では10のテーマを設けて、美人画、着物、化粧道具、春画、教訓書、外国人の記録などから紹介します。

写真の起源 英国

ARTLOGUE 編集部2019/02/15(金) - 02:39 に投稿
日本における写真文化のセンター的役割を担う東京都写真美術館では、毎春、初期写真に焦点を当てる展示を行っており、2019年は「写真の起源 英国」展を開催します。 写真の発明に関する研究は18世紀末から始まり、1839年に最初の技術が発表されることで写真の文化が幕を開けます。英国ではヴィクトリア文化に根ざす貴族社会において、研究が発展し、広く文化として波及します。幕末~明治の日本人たちが憧れた英国の写真文化とその歴史の広がりをご自身の目でお確かめください。