ロッカクアヤコ

海を渡った画家たち -時の共演-

ARTLOGUE 編集部2018/11/07(水) - 14:55 に投稿

めまぐるしく流転する斬新な表現や、高値で作品が取引されるマーケットが賑わいを見せる世界のアート・シーン。

ここ日本でもすっかり「現代美術」という言葉が耳に馴染み、ハイ・カルチャーとサブ・カルチャーが入り混じるハイブリッドな様相は、海外からも熱い注目を集めています。
しかしその舞台の中心が、未だ欧米にあるのはなぜでしょうか。

「世界」と「日本」を隔てる壁は、さかのぼれば戦後を生きる画家たちの前にも同様にそびえ立っていました。海外へ一時的に渡航した作家らによってもたらされた西洋趣味への傾倒に拍車がかかっていた、当時の日本。
一方では、かりそめの流行に疑問を呈し、あえて異国の美術界の荒波へ身を投じた海外組や、彼らに刺激を受け、国内で独創性に富んだ作品を生み出した者も現れました。

不器用なほどひたむきに生きた画家たちの鬼気迫る作品群が、軽井沢現代美術館のコレクションの中心となっています。
当館の創設者・谷川憲正(東京・海画廊創業者)には、美術館の開館が実現した後にも描き続けたもうひとつの夢がありました。それは、私たちと同時代に生きるアーティストと、戦後美術の精鋭たちとのコラボレーション。