めまぐるしく流転する斬新な表現や、高値で作品が取引されるマーケットが賑わいを見せる世界のアート・シーン。
ここ日本でもすっかり「現代美術」という言葉が耳に馴染み、ハイ・カルチャーとサブ・カルチャーが入り混じるハイブリッドな様相は、海外からも熱い注目を集めています。
しかしその舞台の中心が、未だ欧米にあるのはなぜでしょうか。
「世界」と「日本」を隔てる壁は、さかのぼれば戦後を生きる画家たちの前にも同様にそびえ立っていました。海外へ一時的に渡航した作家らによってもたらされた西洋趣味への傾倒に拍車がかかっていた、当時の日本。
一方では、かりそめの流行に疑問を呈し、あえて異国の美術界の荒波へ身を投じた海外組や、彼らに刺激を受け、国内で独創性に富んだ作品を生み出した者も現れました。
不器用なほどひたむきに生きた画家たちの鬼気迫る作品群が、軽井沢現代美術館のコレクションの中心となっています。
当館の創設者・谷川憲正(東京・海画廊創業者)には、美術館の開館が実現した後にも描き続けたもうひとつの夢がありました。それは、私たちと同時代に生きるアーティストと、戦後美術の精鋭たちとのコラボレーション。
アートにおいてもグローバル化が進む近年、諸外国の追随ではない地盤を築く方法とはいかなるものなのか。いにしえのパイオニアたちは、いち早くこうした問題意識を持ち、後世へしっかりと道を示していたのです。
奏でられる音色は、創作の喜びや苦しみ、あるいは遠い故郷を想うノスタルジーかもしれません。
数十年の時を超え、約50点の過去と現在の「いま」が果たす夢の共演を、どうぞご覧ください。
●出展作家
草間彌生、白髪一雄、菅木志雄、田中敦子、奈良美智、名和晃平、間部学、宮脇愛子、村上隆、ロッカクアヤコ(五十音順)他
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開催概要
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会 期:2018年4月26日(木)〜11月25日(日)
会 場:軽井沢現代美術館
時 間:10:00〜17:00
休 館:火曜日・水曜日
*11月下旬〜4月中旬は冬期休館
料 金:大人1,000円、65歳以上&大高生800円、中小生500円、未就学児無料
*入館料はお茶とお菓子のサービスを含む
*障害者手帳をお持ちの方はご本人と付添いの方1名まで無料