日本画

没後130年 河鍋暁斎

ARTLOGUE 編集部2019/01/29(火) - 02:35 に投稿
幕末から明治初年にかけて活躍した河鍋暁斎(1831-89)は、幅広い画業で知られています。歌川国芳から浮世絵を学び、また狩野派にも入門し伝統的な官学派の絵画を学ぶ経歴を持つ暁斎は、当時の画家や日本に滞在・居住していた外国人との交流のみならず、寺院や神社、版元・出版社、料亭や老舗商店、能や歌舞伎といった広範囲にわたる人たちとの交友・受注関係を培いながら多様な作品世界を展開しました。彼らとの親交のなかで暁斎は時代の状況を敏感に感じ取り、時に体制批判の精神を研ぎ澄まし、また一方で日本的な人間・自然観、身体観、死生観といったテーマを独自の視線で掘り下げ、屏風や掛軸、巻物や画帖といった無数の作品を作り上げました。 本展では、暁斎の多様な作品群を紹介しながら、「写生帖」や「日記」、「下絵」や「画稿」なども展観し、暁斎の「眼」、すなわち見る、捉える、表現するといった制作の様相を企画の照準に据えます。一方で、幕末明治の表現を検証する手がかりとしての「ネットワーク」というキーワードのもと、暁斎が手がけた錦絵や挿絵本、工芸作品なども含めて展観します。すなわち、暁斎の創造力と時代のネットワークを合わせ鏡のように考察することによって、本展は暁斎の作家・作品像を再検証し、その時代的、芸術的意義を問います。 明治中期にはアーネスト・フェノロサや岡倉天心によって西洋近代主義的芸術論が定着します。その観念中心主義のジャンル論によって、「日本画」、「洋画」、「版画」といった分野、そして様式による時代区分も形成されていきます。本展は、移植によってつくられたジャンルも、江戸や明治という時代区分も軽々と横断する河鍋暁斎の真価を浮き彫りにします。 ※会期中、展示替えあり 前期:4月6日(土)~4月29日(月・祝) 後期:4月30日(火・休)~5月19日(日)

北斎アニマルズ

ARTLOGUE 編集部2019/01/26(土) - 15:31 に投稿
動物は絵画の不朽のモチーフであり、北斎も多くの作品を残しています。その表現方法も、描かれる対象の性格を捉え、癒されるようなかわいらしい表現から、写実的な画法による思いもよらない個性的な表現まで多岐に渡ります。北斎の動物には、繊細な表情を伝えるような特徴的な目で描かれたものもあります。 本展では、北斎とその門人の描いた動物や、玩具や道具としてデザイン化された動物、物語や伝記などの文脈と共に描かれた動物や、創造の生き物など、絵画の中のさまざまな動物を紹介します。

ゑがき、ゑがく清方 ー その優美な絵の世界 ー

ARTLOGUE 編集部2019/01/16(水) - 02:31 に投稿
6歳で挿絵画家となった鏑木清方は、新聞の挿絵や、単行本、雑誌の口絵など数々の仕事を手がけていく中で着実に力をつけ、20代半ばには人気挿絵画家として認められるようになりました。 その一方で、日本画研究を目的に若手の日本画家の仲間と団体「烏合会(うごうかい)」を結成します。 さらに、浮世絵や南画の研究に取り組み、自身の表現を模索し、挿絵画家から日本画家へと転身を図りました。 清方の江戸情緒あふれる優美な美人画や市井の人々の暮らしを描いた作品は、大正そして昭和の日本画壇で高く評価されました。 しかし清方は、更なる創造を追い求め、肖像画や芝居絵、風景画などにも創作の幅を広げていきました。 本展覧会では、挿絵画家時代に描いた口絵や美人画をはじめとした日本画作品を展示し、清方の画業を紹介いたします。

企画展 松尾敏男展

ARTLOGUE 編集部2019/01/16(水) - 02:30 に投稿
平成24年に文化勲章を受章した日本画家・松尾敏男は、牡丹の名手として知られていますが、初期から晩年に至るまで花鳥・人物・風景・動物と幅広いテーマに取り組み、留まることなく歩み続けました。 自ら生前に出品作品を選定し、最後の展覧会と位置づけていた本展覧会は、没後初の回顧展です。 一途に画道を追求した松尾敏男の、清澄な世界をお楽しみください。

開館20周年記念展 北斎ー永田コレクションの全貌公開<序章>

ARTLOGUE 編集部2019/01/15(火) - 10:47 に投稿
北斎研究で国内外に知られる美術史家・永田生慈氏(1951-2018)は、半世紀にわたり北斎やその門人らの作品を蒐集しました。そのコレクションには、北斎の青年期から晩年期までの各期の錦絵、摺物、版本、肉筆画があり、中には保存状態が良い初摺の逸品や、世界で一点または数点しかない貴重な作品も数多く含まれています。さらに蹄斎北馬、柳々居辰斎ら門人たちの作品も幅広く網羅しており、その総数は2,000件を超えます。北斎の70年に及ぶ画家人生はもちろん、同時代や後世に与えた影響関係まで多角的に概観できる内容であり、北斎に関する個人コレクションとしては世界屈指の規模を誇るといえるでしょう。 2017年度、島根県はこの「永田コレクション」の一括寄贈を受けました。当館では今後およそ10年をかけてこの壮大なコレクションを調査し、数回の展覧会を通じて、その全貌を公開する予定です。まずは受贈記念展、当館の開館20周年記念展に当たる本展において、コレクション中の主要な作品をお披露目いたします。永田コレクション全貌公開へ向けた〈序章〉をどうぞお楽しみください。 期間中展示替あり 【前期】2月8日(金)~3月4日(月) 【後期】3月6日(水)~3月25日(月)

長谷川等伯展 〜屏風・襖-大画面作品を中心に〜

ARTLOGUE 編集部2019/01/15(火) - 10:47 に投稿
能登七尾出身で桃山時代に大活躍した絵師・長谷川等伯(1539~1610)は、京都移住後の50歳以降の時期を中心に、彩色画・水墨画の双方で数多くの「大画面作品」を制作しました。 ​​​​​​​今回で24回目の開催となる「長谷川等伯展」は「大画面作品」がテーマ。等伯晩年期制作の水墨による屏風や襖を中心に、若年期制作の仏画や「長谷川派」絵師による絵画もあわせ、作品や資料など計21点を紹介します。 等伯入魂の名品たちをぜひともご鑑賞ください。

山口晃 「昼ぬ修羅」

ARTLOGUE 編集部2018/12/28(金) - 02:31 に投稿
伝統的な日本画の様式と現代的なモチーフを巧みに融合させ、ユーモアあふれた作品を次々と発表し、現代アートシーンで注目を集める画家・山口晃が、横浜能楽堂で個展を開催。 横浜能楽堂企画公演「風雅と無常-修羅能の世界」に併せ、「修羅」をテーマに絵画やインスタレーションを展示します。山口晃と能楽堂が作りだすこれまでにないコラボレーションをお楽しみください。

春の江戸絵画まつり<br>へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで

ARTLOGUE 編集部2018/12/27(木) - 13:11 に投稿

人は、見事な美しさや完璧な美しさに、大きな感動を覚えます。しかしその一方で、きれいとは言いがたいもの、不格好で不完全なものに心惹かれることもあるでしょう。「へそまがりの心の働き」とでも言ったらよいでしょうか。

例えば、禅画に描かれた寒山拾得の二人は、不可解さで見る者を引きつけます。また、江戸時代の文人画ぶんじんがには、思わず「ヘタウマ?」と言いたくなるような作品があります。文人画ぶんじんがの世界では、あえて朴訥に描くことで、汚れのない無垢な心を表現できると考えられていたのです。

あるいは、徳川家光が描いた《兎図》はどうでしょうか。将軍や殿様が描いた絵には、ときおり見た人が「???」となるような、何と言い表せばよいか困ってしまうような「立派な」作品があります。描き手が超越した存在であることと、関係があるのかもしれません。更に近代にも、子供が描いた絵を手本にして「素朴」にのめり込む画家たちがいました。

この展覧会では、 中世の禅画から現代のヘタウマまで、 日本の美術史に点在する「へそまがりの心の働き」の成果をご覧いただきます。へそまがりの感性が生んだ、輝かしくも悩ましい作品の数々を眺めれば、日本美術のもう一つの何かが見えてくるかもしれません。
 

日本女性と着物

ARTLOGUE 編集部2018/12/26(水) - 02:32 に投稿
古今東西、女性は絵画の主要なテーマとして描かれてきました。絵画には、季節やその時代の流行など様々な情報が盛り込まれています。特に着物は、季節や目的に合わせて格式や文様が異なり、日本文化の一つの表れと言えるでしょう。 本展では当館所蔵の作品の中から、明治から昭和期にかけて描かれた珠玉の美人画を紹介します。 美人画の三巨匠と称された上村松園、鏑木清方、伊東深水らをはじめ、多くの画家たちが追い求めた女性美に迫ります。また、日本の暮らしのなかで輝く女性の姿も紹介します。 華麗な着物姿から日常の働く姿まで、様々な女性像をとおし、おしゃれの感覚を味わうとともに、日本の美を見つめるきっかけになれば幸いです。