水戸芸術館現代美術センター

内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 14:36 に投稿

「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに制作する現代美術家・内藤礼は、光、空気、風、水、重力といった無尽蔵な自然と、それらがもたらす色彩や音を受けとる私たち地上の生を、ひそやかな、それでいて確かな希望を放つかたちに昇華させた空間作品で、国内外より高い評価を得ています。また、内藤はこれまで、きんざ《このことを》(直島、2001年)、《母型》(豊島美術館、2010年)といった自然や建築空間と呼応するパーマネント作品を手がけ、またフランクフルトのカルメル会修道院(1997年)や東京都庭園美術館(2014年)といった歴史的な場所で展示を行ってきました。 

国内において2014年以来の個展、かつ過去最大規模となる本展では、光を自身の作品における根源のひとつとしてきた内藤が、はじめて自然光のみによる、光と生命と芸術がけっして分別されえない「地上の生の光景」を見つめる空間を生み出します。

デイヴィッド・シュリグリー「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」

ARTLOGUE 編集部2017/10/18(水) - 02:33 に投稿

ブラックユーモアが特徴の作品で知られるイギリス人現代美術家、デイヴィッド・シュリグリーによる日本初の大規模個展を開催します。
シュリグリーは、日常の場面を軽妙に描写したドローイングをはじめ、アニメーション、立体、写真などさまざまな手法で制作したアイロニカルな作品で国際的に高い評価を得ています。身近な題材を扱った作品は、美術とポップカルチャーの領域を軽やかに横断し、著名なミュージシャンやファッション・ブランドとコラボレーションを行なう一方、マンガやパブリックアートでも注目され、幅広い層から人気を博しています。

霧の抵抗 中谷芙二子

ARTLOGUE 編集部2018/09/21(金) - 02:30 に投稿
中谷は、雪の研究と自然を題材とした随筆で知られる中谷宇吉郎の娘として生まれ、70年の大阪万博ペプシ館では芸術家と科学者の協働をすすめた「E.A.T.(芸術と技術の実験)」に加わり代表作となる霧の彫刻を制作した。アート&テクノロジー、芸術と科学の融合など、今、流行語のように広がるこれらの世界を、中谷は半世紀に亘って当事者として見つめてきた。こうした活動には、中谷自身の言葉に現れるような柔らかで明快な抵抗が込められている。それを本展では、「霧の抵抗」と呼ぶこととした。霧の彫刻とビデオを通して、時代の潮流に対して霧のごとく抵抗してきた中谷の活動のドキュメントを、当時の時代精神とともに紹介する。