ブラックユーモアが特徴の作品で知られるイギリス人現代美術家、デイヴィッド・シュリグリーによる日本初の大規模個展を開催します。
シュリグリーは、日常の場面を軽妙に描写したドローイングをはじめ、アニメーション、立体、写真などさまざまな手法で制作したアイロニカルな作品で国際的に高い評価を得ています。身近な題材を扱った作品は、美術とポップカルチャーの領域を軽やかに横断し、著名なミュージシャンやファッション・ブランドとコラボレーションを行なう一方、マンガやパブリックアートでも注目され、幅広い層から人気を博しています。
「Lose Your Mind(ルーズ・ユア・マインド)」という本展のタイトルは、「気が狂う」などを意味する熟語の命令形にあたります。正気を失うよう促す挑発的なタイトルには、シュリグリー作品に通底する独特のユーモアが現れているといえるでしょう。ブリティッシュ・カウンシルとのパートナーシップにより開催する本展では、人気の高いドローイングを圧倒的なボリュームで展示するほか、思わず笑いがこぼれるアニメーション映像から、剥製の彫刻、芸術を揶揄するコンセプチュアルな作品まで、シュリグリーの多様な活動を国内で初めて包括的に紹介します。さらに、2016年秋からロンドンのトラファルガー広場で展示され話題を呼んでいるパブリックアート「リアリー・グッド」のバルーン版を制作し、世界に先駆けて初公開します。イギリス特有といえるダークなユーモアで彩られたデイヴィッド・シュリグリーの世界をぜひお楽しみください。
デイヴィッド・シュリグリー
イギリス人現代美術家。1968年イングランド北部マックルズフィールドに生まれ、グラスゴー・スクール・オブ・アート(スコットランド)で学び、現在はイングランド南部のブライトン在住。イギリス人もしくはイギリス在住作家に贈られる名声高いターナー賞に2013年にノミネートされ、2016年にはイギリスで最も重要なパブリックアートのひとつとされる「第4の台座」プロジェクト(ロンドン、トラファルガー広場)に、異様に長い親指を突き立てて「いいね」のしぐさを示す7メートルのブロンズ彫刻「リアリー・グッド」が選出され、話題を呼んでいる。シュリグリーは、イギリス人特有のブラックユーモアを取り込んだ作品で知られ、とくに日々の生活を題材にしたウィットに富んだドローイングが人気を博し、雑誌やTシャツ、バッジ、グリーティングカードなど商品に起用されることも多い。現代美術の分野で国際的に評価される一方で、大衆文化においてもマンガや本を通してカルト的な人気を誇る稀有な美術家と言われる。
デイヴィッド・シュリグリー「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」フォトギャラリー
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