美術館

特別展「江戸の戯画 ―鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」

ARTLOGUE 編集部2018/05/09(水) - 13:41 に投稿
歌川国芳「きん魚づくし ぼんぼん」 個人蔵(通期展示)

 

太平の世が続いた江戸時代には、多くの戯画(ぎが)が描かれました。一口に戯画といっても多種多様なものがありますが、本展では「鳥羽絵」をキーワードに江戸時代の戯画をご紹介します。

鳥羽絵は、広く戯画や漫画を指す言葉として使われることもありますが、より限られた意味では、18世紀に大坂を中心に流行した軽妙な筆致の戯画を指します。そこに描かれる人物は、目が小さく、鼻が低く、口が大きく、極端に手足が細長いという特徴を持ち、その名は国宝「鳥獣人物戯画」の筆者と伝えられてきた鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)に由来するものとされます。

鳥羽絵は、18世紀の大坂で鳥羽絵本として出版され、その人気は近代にまで及びました。また、上方に留まらず、江戸の浮世絵などにも影響を与えています。鳥羽絵を洗練させたとされる大坂の「耳鳥斎(にちょうさい)」はもちろん、鳥羽絵本の影響を受けたと考えられる江戸の「北斎(ほくさい)」や「国芳(くによし)」、そしてその流れをくむ「暁斎(きょうさい)」など、時代や地域により変化しながらも、笑いの感覚は脈々と受け継がれてきました。

荒井茂雄展 人生の詩

ARTLOGUE 編集部2018/04/28(土) - 11:19 に投稿
荒井茂雄《楽園》1974年 丸山晩霞記念館蔵

 

長野県に生まれた荒井茂雄(1920- )は、幼い頃から絵を得意とし、同県上田市で友禅と日本画を学んだ後、猪熊弦一郎(1902-1993)に師事します。以降、洋画・日本画という区分や一つのスタイルにとらわれることなく、新たな表現への探求を続けてきました。

初期には花や鳥などをモチーフとした油彩画を制作しますが、80年代半ばより、色彩豊かで実験的な抽象表現や、身近な日用品を組み合わせた立体作品を手がけるようになります。そして近年では、自らの作品や浮世絵などのイメージを組み合わせたコラージュに着手するなど、その表現の展開は豊かな様相を呈しています。

一方で、いずれの時期においても、鮮やかな色彩を巧みに操る感覚や、素材やモチーフの意外な組み合わせ、日常の中にあるものへの新鮮なまなざしなど、猪熊の教えを受け継ぎつつ、荒井が確立した固有の精神が息づいています。

ユニマットコレクション フランス近代絵画と珠玉のラリック展

ARTLOGUE 編集部2018/04/28(土) - 01:58 に投稿
フランソワ・ブーシェ《勝利のクピド》

 

ユニマットコレクションは、オフィスコーヒーや介護、リゾートなどの事業を幅広く展開しているユニマットグループの創業者・髙橋洋二氏が収集した西洋美術の一大コレクションです。本展では、世界的な巨匠たちの作品を多数所蔵するコレクションの中から、主に19世紀から20世紀にかけてのフランス美術を中心に約100点をご紹介します。

芸術の本場として名高いフランスの美術の歴史において、19世紀から20世紀は歴史に名を残す優れた美術家が数多く登場した時代でした。

貴族好みの神話世界を捨て、自然の中に生きる農民たちの姿を描こうとしたミレーやコロー、明るい色彩の肖像画を通じて、あふれるような生命の輝きを表現したルノワール、現実を超えた大胆な色づかいによって「色彩の魔術師」と称えられたデュフィ、貧しい芸術家たちがひしめくパリのモンパルナスで活躍し、伝説となったモディリアーニや藤田嗣治、装飾性あふれるガラス工芸を発表して一世を風靡したルネ・ラリックなど、多くの美術家たちがそれぞれの時代で、自らが理想とする美を創り出し、感動を与えてきました。

プーシキン美術館展 ―― 旅するフランス風景画

ARTLOGUE 編集部2018/04/27(金) - 00:23 に投稿

珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。
なかでも、初来日となるモネの《草上の昼食》では、同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。新緑の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」をどうぞお楽しみください。

 

デザインあ展 in TOYAMA

ARTLOGUE 編集部2018/04/26(木) - 21:26 に投稿

子どもたちのデザインマインドを育む番組 NHK E テレ「デザインあ」。本展は「デザインあ」のコンセプトを、体験の場に発展させた展覧会です。優れたデザインには、人と人、人とモノをよりよくつなぐ工夫があります。番組では、身のまわりに意識を向け(みる)、どのような問題があるかを探り出し(考える)、よりよい状況をうみだす(つくる)という一連の思考力と感性を「デザインマインド」ととらえ、多彩な映像表現をもちいて伝えてきました。デザインあ展は、この「デザインマインド」を、見て、体験できる展覧会です。2013 年に東京で開催された前回展から作品を新たにし、身のまわりにあるモノ・コトから概念までテーマをほりさげます。未来を担う子どもたちに、「見る」「考える」「つくる」ことの豊かさを体感してもらいたいと願っています。

 

高畠華宵生誕130年記念特別展 幻想の果てに ー丸尾末広と高畠華宵ー

ARTLOGUE 編集部2018/04/25(水) - 03:37 に投稿
『金の船』表紙絵

 

2018 年は、高畠華宵が愛媛県宇和島に生まれて130 年になります。大正から昭和にかけて挿絵画家として活躍した華宵ですが、全盛期の仕事ぶりと比べると戦後は挿絵の仕事も減り、華宵にとっては思うように絵を描けない厳しい晩年を過ごしました。しかし華宵が残した作品は、同時代の少年少女は言うに及ばず、彼の死後も多彩なジャンルのアーティストに様々な形で影響を与えています。

戦後の少女漫画は華宵ら大正ロマンの画家たちの流れを受け継いでいますが、中でも美少年や少年愛をテーマにした竹宮惠子、萩尾望都、山岸涼子などの作品には、華宵の美少年の美しさと凛々しさが受け継がれています。アングラ演劇を牽引した寺山修司や唐十郎は、ポスターや書籍の装丁に華宵作品を使っています。華宵作品は彼らのイマジネーションを刺激したのでしょう。美輪明宏は自他共に認めるように華宵的な妖美を誇っています。このように華宵の美意識は、直接的にしろ間接的にしろ、現代文化にもその水脈が続いていると言えますが、その代表格が異才の漫画家・丸尾末広です。

墨のちから─狩野派障壁画の世界

ARTLOGUE 編集部2018/03/13(火) - 12:41 に投稿
狩野永徳「虎図」(三井寺旧日光院客殿障屏画) 一幅 桃山時代  【前期展示】

 

《狩野派》といえば、日本絵画史上最大の画派であ り、室町時代から江戸時代まで 400 年にわたって君 臨し続けた画家集団です。原六郎コレクションには、 狩野派の絵師たちによる作品群「三井寺旧日光院客 殿障壁画」があります。これは、近江八景の一つ「三 井晩鐘(みいのばんしょう)」でも知られる三井寺(み いでら、正式には園城寺=おんじょうじ、滋賀県大 津市)の塔頭の一つ、日光院客殿の襖絵として描か れたものです。本展では、狩野永徳の「虎図」など、 この障壁画の一部を展示し、狩野派の絵師たちによ る水墨表現の魅力を紹介いたします。

 

アートを発信する―原美術館発国際巡回展の軌跡

ARTLOGUE 編集部2018/03/13(火) - 12:43 に投稿
戸谷成雄「森Ⅱ」1989-90年 ©Shigeo Toya

 

原美術館が 90 年代に企画・主催した3つの国際巡回展に焦点をあてた展覧会を別館ハラ ミュージアム アークにて開催


ハラ ミュージアム アーク本館にあたる原美術館[東京都品川区 館長:原俊夫]が企画・主催した3つの国際巡回展、「プライマルスピリット-今日の造形精神」(1990-91 年)、「空間・時間・記憶-Photography and Beyond in Japan」(1994-97 年)、「倉俣史朗の世界」(1996-99 年)に焦点をあてた展覧会を開催いたします。

いずれも日本の優れた現代美術を海外に紹介する目的で、彫刻・写真・デザインというそれぞれ異なる表現方法を用いた作品群により構成された大型プロジェクトでした。
本展では、原美術館コレクションの中からこれらの企画展に出品したアーティスト達による作品をクローズアップし、その発信の軌跡を辿ってみたいと思います。

【出品作家】
荒木経惟、遠藤利克、笠原恵実子、川俣 正、倉俣史朗、剣持和夫、佐藤時啓、杉本博司、土屋公雄、戸谷成雄、野村 仁、福田美蘭、森村泰昌、山本 糾、草間彌生、束芋

眞島直子展 地ごく楽

ARTLOGUE 編集部2018/03/13(火) - 14:50 に投稿
《妖精》 2011年 個人蔵 (写真提供:ミヅマアートギャラリー)

 

名古屋出身の真島直子(1944- )は、白い大画面に鉛筆のみで細密描写を行う「鉛筆画」や、多色で鮮烈な印象を与えるオブジェによって、「地ごく楽」(地獄+極楽)の世界に生きる人間の本性を表現しています。本展では、〈地ごく楽〉シリーズなどの代表作品に初期作品と油彩画の近作を加えて、作家の創作の歩みを紹介します。本展は今日の日本を代表する作家として国内外で評価を受けている真島直子の郷里で開催されるはじめての大規模個展です。

 

ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展

ARTLOGUE 編集部2018/04/20(金) - 05:14 に投稿

1950年代からニューヨークで第一線のファッション・カメラマンとして活躍するも、80年代に商業写真から退き、世間から姿を消したソール・ライター(1923-2013)。しかし2006年、ドイツのシュタイデル社から出版された作品集をきっかけに再び脚光を浴び、世界的なセンセーションを巻き起こします。時にソール・ライター83歳。相次ぐ展覧会開催や出版にとどまらず、2012 年にはドキュメンタリー映画「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」(日本公開は2015年)が公開されるなど、その名前と作品は多くの人々の知るところとなります。そして待望の日本初回顧展を、昨年の東京会場につづき、関西で開催いたします。ニューヨークのソール・ライター財団の全面的な協力を得て、同財団所蔵の写真作品(モノクロ、カラー)をはじめ、絵画作品やスケッチブックなどの貴重な資料を含めた約200点を一堂に紹介します。「私たちが見るものすべてが写真になる」というライター自身の言葉にもあるように、日常のなかで見過ごされがちな一瞬のきらめきを天性の色彩感覚でとらえ、「カラー写真のパイオニア」と称された伝説の写真家の軌跡に迫ります。