千葉市美術館で、アーティスト荒神明香、ディレクター南川憲二、インストーラー増井宏文が中心メンバーのアーティスト・コレクティブ「目[me´]」の「目 非常にはっきりとわからない」展が始まっています。
「目」はこれまでにも、「越後妻有トリエンナーレ」、「さいたまトリエンナーレ」、森美術館「六本木クロッシング」などに参加し多くの話題をさらってきましたが、美術館での個展はこれが初めてです。
展覧会の会場は1階と7階、8階ですが、鑑賞者の導線を規定したくないということで、プレスにも1階以外は写真撮影もNG!観た内容も非公開とかん口令がしかれました。
「目」メンバーは「目 非常にはっきりとわからない」のキュレーターを務める畑井恵さんからのオファーを受け、「千葉といえば…」と、先ず、77万年前の磁場逆転の痕跡地層が残る「チバニアン」をみにいきました。
しかし、そこにはただの土しかない大地が広がるだけで、解説にも「本当のことは分からない」という内容の文言が。胡散臭さすら感じたとのこと。
今回の展覧会では、荒神明香さんがガスの惑星である木星の写真に取り憑かれていることもあり、その曖昧な存在からもインスピレーションを得ています。
本展を読み解くうえで「逆転」と「曖昧」が鍵になりそうです。
加えて、本展は、千葉市美術館のリニューアル工事前の最後の展覧会になり、12月28日会期終了後に全館クローズして工事が始まります(リニューアルオープンは2020年7月)。
こうした情報を踏まえた上で展覧会を観れば、そこで何が行われているかはすぐに気づくものの、面白いことに、その分かりやすさから、かえって様々な疑問が湧いてきます。
記者からも多くの質問が出ましたが、南川さんはほとんど「すみません」と回答拒否を続け、その様はまるで「調査中」を繰り返す謝罪会見の様でした。
筆者も言いたいことは多々あるし、「会期中に〇〇〇〇となるのでは?」など様々な予想はしていますが、実際のところは時が経ってみないと分かりません。兎に角、固く内容については伝えないで欲しいと嘆願されたので、みなさんも千葉市美術館に行って自分の目で確かめてください。
「目」のメンバーは、今後、観客がどのように反応し、SNSなどで発信するかを楽しみにしているとのことです。
SNS上でネタバレが拡散する前になるべく早いタイミングで観に行くことをおすすめします。
レセプションでは、「NIIZAWA Prize by ARTLOGUE」の兆し賞を受賞した荒神明香さんの作品《リフレクトゥ》(2006)をラベルに採用した「NIIZAWA KIZASHI 純米大吟醸2019」もご提供させていただきました。
次期森美術館館長の片岡真実さん等アート業界の重鎮も来られていたので「目」への期待値の高さがうかがえます。
目 非常にはっきりとわからない
会 場:千葉市美術館
会 期:2019年11月2日(土)~ 12月28日(日)
開館時間:10:00~18:00(金、土曜日は20:00まで)
休館日 :11月5日(火)、11日(月)、18日(月)、25日(月)、12月2日(月)、9日(月)、16日(月)、23日(月)、※11月5日(火)と12月2日(月)は全館休館
WEB:http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2019/1102/1102.html