アートダイエット in 豊田市美術館編

羽田沙織2017/05/31(水) - 16:36 に投稿
アートダイエット in 豊田市美術館編

行きたい美術館はあるけれど遠くてちょっと…
と足踏みしてしまう事ってありますよね。

いつまでも記憶に鮮明に残る美術館ほど、アクセスが悪いものです。
都会の喧騒を離れ、更に駅から離れた場所に自然と溶け込むように建てられた美術館。
いつでもふらりとすぐに行けるわけではないからこそ、心ときめく存在なのかもしれません。

さぁ、アートダイエットの出番です!
アートダイエットとは、1日1万歩歩くことを目標に、アートを鑑賞しながらするダイエット。

電車を乗り継ぎ、自分の足で歩いて向かうその道中は、たった1時間でも、まるで遠い地へ旅に出てきた気分にしてくれます。しかも、知らず知らずのうちにたくさん歩いてダイエットにも繋がって一石二鳥。

愛知県には、そんなアートダイエットにぴったりの美術館やアートスポットがたくさんあります。

そこで、アクセスは悪いけれど、とびっきり素敵で絶対一度は訪れてもらいたいアートスポットをシリーズでご紹介します。
まず今回は、名古屋から電車を乗り継ぎ1時間ほどの場所にある愛知県の豊田市美術館。
最寄りの豊田市駅から歩いて豊田市美術館を鑑賞するコースは一体何歩になるのでしょうか。

アートダイエットスタートです!

 

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駅から美術館までは道案内が出ているので安心♪

駅から美術館までの道のりは、看板や道案内が随所に出ているので、かなり方向音痴の私でも迷うことなくたどり着けました。歩いて15分ほどで美術館に到着。ここまでの歩数は1729歩。

 

美しすぎる谷口吉生建築を堪能

 

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豊田市美術館外観

まずは、この美しすぎる外観に酔いしれましょう!
GINZA SIXを手がけたことでも話題になっている建築家 谷口吉生の建築です。谷口さんは他にも、ニューヨーク近代美術館(MoMA)新館や、京都国立博物館 平成知新館、東京国立博物館法隆寺宝物館なども手掛けられています。

 

美術館とは、建築の外部から内部にまで、作品と出会う感動を求めて辿る旅のための装置である。
谷口吉生

 

この言葉通り、建物には様々な仕掛けが周到に施されています。

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正面入り口から館内に入るとすぐ出迎えてくれるのが、高い壁一面を覆うジョセフ・コスース《分類学(応用) No.3》とジェニー・ホルツァー《豊田市美術館のためのインスタレーション》

建物を正面から見た時には天井が低く見えるのに、中に入ると天井がとても高く感じるというのもそのひとつ。
常設展示室には、光に満ちた広い空間から始まり、小さい展示室へと移り、再び明るく広々とした空間に戻るという導線が用意されています。

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展示室と展示室の間の通路からは豊田市内を一望できます

気が付かないうちに空間がガラリと変化し、歩くたびに想像していたものとは違う景色を見せてくれることで、私たち鑑賞者は常に驚かされ、感覚が研ぎ澄まされていくのです。

 

東山魁夷に度肝を抜かれる

 

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《唐招提寺御影堂障壁画 濤声》(部分)1975年 唐招提寺蔵

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《唐招提寺御影堂障壁画 揚州薫風》

現在、豊田市美術館では、企画展「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」が開催中です。
通常非公開となっている唐招提寺御影堂の障壁画68面が一堂に会するというまたとない機会です。あわせてスケッチや下絵なども展示されています。

唐招提寺(奈良)は中国の高僧 鑑真和上が開いた寺院で、唐招提寺御影堂には鑑真和上坐像(国宝)が奉納されています。東山魁夷は御影堂の5つの部屋にある68面の襖と床の壁面を10年かけて奉納しました。鑑真和上が視力を失い見ることのできなかった日本の風景は、青や緑を基調とした彩色で。故郷である中国の風景は、東山魁夷にとって挑戦ともいうべき水墨で描き、新境地を拓きました。

今回の展覧会では、御影堂の内部がほぼそのまま再現されています。
戦後を代表する日本画家 東山魁夷が全身全霊を込めて制作した全長80mを超える超大作は、ただただ圧巻です。
障壁画を前にした瞬間、その場の空気が一瞬にして変わったのを感じました。まるで神が宿っているかのような神聖な空間。全て見終わると、全身にたっぷりマイナスイオンを浴びたような清々しさで、身も心も清められた気分です。

「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」を見終わったところで、ここまでの歩数は2273歩。

 

他にも展示が目白押し!

 

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「岡崎乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」展示風景

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「岡崎乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」展示風景

次は、同時開催されている企画展「岡崎乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜」と常設展示をチェック。
豊田市美術館がこれまで20年以上にわたってコレクションしてきた作品を中心に、岡崎乾二郎監修の元、抽象芸術の意図を探るという目的で展示されたこちらの企画展。
村山知義、フェルナン・レジェ、熊谷守一、田中敦子、コンスタンティン・ブランクーシなどが並びます。

また、常設展では、豊田市美術館で1番人気との呼び声も高いグスタフ・クリムトの《オイゲニア・プリマフェージの肖像》やエゴン・シーレの《カール・グリューンヴァㇽトの肖像》も見ることができます。

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クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》 1913/1914年

 

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エゴン・シーレ《カール・グリュンヴァルトの肖像》1917年

ここまでの総歩数は3204歩。

 続いて、美術館と併設されている高橋節郎館と茶室「童子苑」へと向かいます。

高橋節郎は、生涯を通じて新たな表現に挑み続けた漆芸家です。初期の色漆による鮮やかな作品から、晩年の艶やかな漆黒と金が織りなす力強く幻想的な作品まで、漆の世界をじっくり味わうことができます。

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茶室『童子庵』も谷口吉生設計。新緑の時期の庭園は絶景です

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茶室(室内)

茶室「童子苑」は美術館同様、谷口吉生による設計。新緑が眩しい今の時期は特にオススメです。

その後、アメリカのランドスケープデザイナー、ピーター・ウォーカーデザインによるお庭もゆっくり歩いて楽しみました。

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庭園

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ヘンリー・ムア《座る女:細い首》

お庭には9つの作品が点在。近づいて見たり、離れて見たり、写真を撮ったりして1周見終わったところでここまでの歩数は7683歩。

最後に、本日のご褒美スイーツを。

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美術館内にあるレストラン「TERRACE」で、ダニエル・ビュレンの《色の浮遊|3つの破裂した小屋》を眺めながら、期間限定のケーキ「“白い”モンブラン」を頂きました。

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Daniel BUREN《色の浮遊│3つの破裂した小屋》2003年

帰りは駅まで歩いて戻り、豊田市駅に到着したところで本日の総歩数は9225歩 消費カロリーは229キロカロリーでした。
まだ歩き足りないという方は、美術館を通る朝日丘七州城ウォーキングコースという全長4.5㎞のコースもありますので、こちらを是非お試しください。
今年も夏本番に向けて、アートダイエット本格始動していきま~す!

今回の豊田市美術館でのアートダイエットに合わせて聴きたい1曲♪

The Garden Song(feat.Moorea Masa) / Manatee Commune
地元アメリカ・ベリンハムを囲む太平洋岸北西部の景色に影響を受けたというマナティーコミューン。大地が軽やかにハミングするような、青空がキラキラと笑いかけているかのような、そんな眩しい音が詰まった1曲です。

 

東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展

会 期 :2017年4月22日(土)~6月11日(日)
会 場:豊田市美術館
開館時間:10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日 :月曜日(5月1日は開館)
URL: http://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/2017/special/higashiyama.html

 

岡崎乾二郎の認識―抽象の力―現実(concrete)展開する、抽象芸術の系譜

会 期:2017年4月22日(土)~6月11日(日)
会 場:豊田市美術館 展示室1~4
開館時間:10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜日(5月1日は開館)
URL: http://abstract-art-as-impact.org/


参考
朝日丘七州城ウォーキングコースマップ
PDFhttp://www.city.toyota.aichi.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/002/996/2017/01.pdf

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