特別展「王朝文学への憧れ 歌・物語に染まる、もののあはれ」

ARTLOGUE 編集部2018/08/21(火) - 02:30 に投稿

四季折々の情景や自然の趣、恋情や別れの哀しみを歌に詠み、溢れる心情を交わした平安時代。貴族社会において和歌は教養であり、社交に華を添える大切な手段でした。男女の揺れ動く恋心や貴族たちの人生観を描いた『伊勢物語』や『源氏物語』などの文学作品は、今なお人々に親しまれています。

雅やかな文化が生まれた平安朝は、和歌にも知性や気品が求められるようになり『古今和歌集』などの勅撰和歌集や、西行法師、藤原定家など優れた歌人たちの和歌をまとめた家集が、詠歌の手本として重要視されました。
そうした文化は後世でも尊ばれており、江戸時代の大名も和歌を嗜み、書の修練に励んでいます。また自然や人に起因する心情や美意識をあらわす“もののあはれ”の精神や、文学作品の世界観が書や絵画など様々な形の芸術として昇華され、王朝文化への憧れはより一層高まるようになりました。

本展では、旧岡山藩主池田家に伝わる藩主自筆の和歌資料から、初代藩主池田光政が書写した『風葉和歌集抜書』や『古今和歌集』(清輔本)、二代藩主綱政や三代藩主継政が書写した物語や家集をはじめ、『源氏物語』の第7帖「紅葉賀」を描いた狩野養信筆「源氏物語図屏風」、櫛や貝合せなど意匠を凝らした工芸品をご紹介し、藩主や絵師、人々が慕い学んだ王朝文学の優美な世界と様々な魅力に迫ります。

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特別展「王朝文学への憧れ 歌・物語に染まる、もののあはれ」

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