岡山県出身の画家であり詩人でもある、竹久夢二(1884-1934)は、ほっそりとした体に大きな瞳で憂いの表情を描き、「夢二式美人」とも呼ばれ、大正ロマンを代表する画家となりました。また、多くの書籍の装幀、広告宣伝物、日用雑貨のほか、浴衣や千代紙などのデザインも手掛けており、日本の近代グラフィック・デザインの草分け的存在といえるでしょう。
夢二の表紙絵を起用した『婦人グラフ』は飛ぶように売れ、長野県ゆかりの中山晋平の作曲全集や小説の装幀も手掛けています。大正3年には日本橋呉服町に絵草子店「港屋」をオープンし、夢二がデザインした絵はがきやぽち袋などオリジナルグッズを販売、若い女性を中心に大評判となりました。中央画壇における展覧会での受賞でのし上がった作家たちと違い、夢二は大衆人気というかたちで脚光を浴びます。
ハイカラな風俗と哀愁をおびた表情で一世を風靡した夢二の美人画、大衆文化に広く浸透した夢二の芸術をお楽しみください。
【前期】2018年8月2日(木)~8月28日(火)
【後期】2018年8月30日(木)~9月30日(日)
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