須永剛司は、1990年代に情報デザイン領域を開拓したデザイナーであり教育研究者です。情報デザインは、デジタル技術が可能にした情報のはたらきに「みえる・わかるかたち」を与えるデザインの専門領域として発展。いまそこでは、デザインを社会的なプロセスにする新たな方法の探究がはじまっています。
須永は、日本で初めての情報デザイン教育研究プログラムを1998年に多摩美術大学に開設、その発展に貢献してきました。2015年に東京藝術大学に着任。情報・設計研究室を開設し、情報コミュニケーションのコンテキストである社会をかたちづくるデザインの可能性を探究してきました。
2019年3月をもって退任となるこの機会に、退任展「情報のかたち社会のかたち」を聞催する運びとなりました。
本展では、情報デザイン領域をともに開拓してきた同僚たち、プログラムで学んだクリエーターたち、在箱する学生たちとの共同プロジェクトを紹介します。それらは、道具(プロダクト)から活動(サービス)へ、そして社会(コミュニティ)へというデザイン課題の変容を駆動したさまざまな試みとその所産、そこに生まれた問いと議論です。デザインのフロンティアはいかに育まれるのか、わくわくするそのプロセスをご覧いただければ幸いです。
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