企画展「美術館できもだめし?夏休み ちょっとコワイ美術展」

ARTLOGUE 編集部2018/08/02(木) - 21:47 に投稿

本展では、「コワイ」をキーワードに、様々なジャンルの館蔵作品をご覧いただきます。
身を守り、敵を斃すための武器であり、その斬れ味が持ち主の命運を左右した刀剣。江戸時代に盛んに行われた試し斬りをもとにして、斬れ味本位のランク付けが行われました。金象嵌で試し斬りの結果を茎に記した「脇差 上総守兼重」などは、まさに武器としての「コワイ」一面をあらわしています。
『平家物語絵巻』は、美しい絵と流麗な詞書で有名な作品ですが、戦にまつわる「コワイ」場面と共に、目的のためには手段を選ばない人間の「コワイ」性をも描いています。また、河鍋暁斎筆「閻魔・奪衣婆図」など死後の世界を描いた作品共に、正阿弥勝義作「菊花・虫図皿」や逸見東洋作「風神雷神図堆朱盆」など「コワイ」ほどの超絶技巧を駆使した作品も展示いたします。
その他にも、『平家物語』に由来する能の演目「藤戸」に用いられる、能面「廿余」などの池田家伝来の能面や能装束もご覧いただきます。
こうした展示品を通じて、人間の業や日本人の死生観をご覧いただきますと共に、暑さをしのぐひと時を美術館でお過ごしください。

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