大地の子宮の中 生まれ出てくる土器とともに
大地の声 生命の産声を聴きながら
私という命も輝かせたい
命あるものを作りつづけたい
(小野真由美『大好きな縄文』)
小野真由美の縄文との出逢いは、土器煮炊きから始まっている。縄文野焼きの炎の前で煮炊きする――そんな縄文時空を濃縮したような体験への参加をきっかけとして、当美術館に通い縄文土器づくりを学び始めた。そして3年間の修行を経て、火焔土器をはじめとする再現から技と心と息づかいを学び、さらなる己の創造の一歩を踏み出した。「命あるものを作りつづけたい」と彼女は言う。土器は命あるもの――それは野焼きの炎と煮炊きの炎に陶冶された彼女の“縄文の心”だろう。器面に横溢せんばかりに渦巻き繋がりあう文様は、まさに命あれという祈りと世界観の表象である。新たな縄文アーティストの誕生と挑戦の軌跡を一覧する初個展。ぜひご覧ください。
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