小倉遊亀(おぐらゆき、1895-2000)は滋賀県大津市に生まれた女性作家です。大磯に住む安田靫彦に師事し、厳しい修養をもととし、アンリ・マティスなど近代絵画の影響を受けた明るく慈愛に満ちた人物画を制作します。長く北鎌倉に住み、その静物画は師の安田靫彦から「北鎌倉の特産品」と賞されるなど高く評価されました。
現代的で清新な作品には作家がたどりついた美の本質が表れ、上村松園賞(1954年)、日本芸術院賞(1962年)、文化勲章(1980年)の受章へと結実し、2000年に105歳で没するまで目覚ましい活躍を重ねました。
本展は、2001年に鎌倉芸術館で開催された追悼展以来、県内の美術館では17年ぷりとなる本格的な回顧展で、初期から晩年までの代表作および愛蔵の陶磁器類や挿絵類など約120点によりその気高い画業の高みを紹介します。
※会期中、一部作品の展示替えがあります。
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