「版画」と聞くと、「本物が手に入らないときのコピー?」はたまた、「技法がなんだか分かりにくい!」というイメージが先行し、純粋に作品を楽しむことが難しいという方もいるかもしれません。しかし、同じ作品を沢山作ることができるという実用的な機能と、状況や環境に応じて発達した多彩な技法は、古くから人びとに寄り添った作品を生み出すことを可能にしてきました。作品の表現内容に目を向けてみると、実は日本の木版画にも西洋の銅版画にも共通する心の造形を見出すことができるのです。
本展は、あらゆるものが「版」で表現された「版画の王国」をめぐりながら、古今東西の版画作品に刻まれた心の物語を辿る冒険です。「恋」、「謎」、「苦悩」、「救い」といったテーマは、時を経てどのように表現されてきたのでしょうか。
キングダムを飾るのは、1000年以上前に作られた世界最古の印刷物とされる「百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)」から、ピカソや北斎など日本美術や西洋美術の巨匠の作品、さらには大学生の優秀作品まで。なかには「これって版画なの?」と思うような作品もあります。「版」が紡いできた歴史や、実用性を超えた表現手法の魅力にも思いを馳せながら、お気に入りの一点を見つける旅に出かけましょう!
なお、鑑賞の手助けになるようお子さまも楽しめる鑑賞ガイドをお配りし、版画の技法についても分かりやすく展示します。
※出品総数約180点。前後期で一部展示替えがあります。
【前期】2018年6月30日(土)~7月29日(日)
【後期】2018年7月31日(火)~9月2日(日)
開催期間
-
上位美術館・ギャラリー
画像
アクセス数
0
1
1