ものを写すことに捉われない、独自の抽象芸術を探求した画家・清川泰次(1919-2000)。 清川は、静岡県浜松市に生まれ、学生時代に独学で油絵を始めました。初期には具象的な作品を描き、二科展や読売アンデパンダン展などで活動していましたが、1950年代に約3年間の渡米を経験し、本格的に抽象表現へ移行します。
その後、清川は、少しずつスタイルを変えながら、線と色面のみによる表現で作品を描き続けました。アメリカから帰国直後には、様々な色の線と面で構成された作品を多く描きますが、その後、1963年に再び渡米してからは、白を基調としたシンプルなスタイルへと変わっていきます。さらに、晩年の1990年代には、再び色彩豊かな作風となり、線、色、かたちによる美を追求しました。
本展では、清川の作品における「色」に着目しながら、初期から晩年までの作品10数点を展示します。約60年にわたり精力的に制作を続けた清川の、色彩の変遷をご覧ください。
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