約1万3千年前に始まったといわれる縄文時代。縄文時代が始まる頃には氷期も終わり、その後の温暖化によって入り江や干潟が生まれることで、いま私たちが暮らす日本列島の景観が整いました。この自然環境を活かして狩猟や漁撈、そして採集を行っていたのが縄文時代の人びとです。当時の人びとがこうした日々の暮らしのなかで工夫を重ね作り出した土器や石器、土偶や装身具などさまざま道具は、力強くも神秘的な魅力をもっています。
縄文時代といえば誰もが知っているのが躍動感あふれる《火焰型土器》やユニークな姿形をした《遮光器土偶》。これらは縄文時代の美を代表とするものとして世界的に著名ですが、縄文時代を通じた美の展開のなかでも際立ったものです。本展は「縄文の美」をテーマに、南北に長い日本列島で育まれた縄文時代1万年間にわたる壮大な美のうねりを体感していただこうとするもので、時期や地域を超えて優品を集め、その形に込められた当時の人びとの技や思いに迫ります。
近年では、縄文の美はすそ野を広げ、自然との共生や自然保護への意識の高まり、デザインやファッション、そして地域活性化のコンテンツなど、さまざまな切り口で親しまれるようになっています。1万年以上の時を経てなお多くの人の心をひきつける縄文の美を、ぜひ感じてください。
会期後半の7月31日からは、国宝土偶「仮面の女神」「縄文のビーナス」も登場し、縄文時代の国宝全6件が初めて一堂に集まります。
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