洋画家・和田三造(1883~1967)の《昭和職業絵尽》は、中世より続く職人尽絵の伝統を踏まえ、昔ながらの職人から近代化とともに生まれた新しい職業まで、新旧の職にたずさわる人々の様子を描いた木版画シリーズです。当初予定された100図には至りませんでしたが、昭和14年から16年にかけて48図、戦争による中断を経て昭和29年から31年までに《続昭和職業絵尽》24図が刊行されました。 優れた人物表現で知られる和田は、本シリーズのために10年余りかけて人々の働く姿を描きためたといい、その高い観察力、描写力で生き生きとした表現を生み出しました。優れた彫師・摺師の手を通し、原画の簡潔で勢いある筆づかいが再現された作品には、浮世絵とも新版画とも違う独特の味わいがあります。 このたびの展覧会では、国際人文学部アンドリュー・ホルバート招聘教授が所蔵する《昭和職業絵尽》シリーズのうち、戦前に刊行された作品を展示します。当時の世相・風俗が克明に描写された木版画を通し、懐かしい情景や人々の営みをご覧ください。
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