現在活躍している写実画家が若かった頃、どのような作品にインスピレーションを受けたのか、写実絵画へ進むきっかけとなった作品や、技術面、精神面で深めることができたなど、そのエポックメーキングな作品と現在の作品を展示いたします。また、作家毎にプロフィールを紹介し、作風の進化、深化をたどっていきます。たとえば、青木敏郎(1949年生まれ)は、京都に生まれ、東京造形大学在学中にョーロッパ留学のきっかけを掴み、フェルメールの「デルフトの眺望」に出会い、その後の指針としました。野田弘志(1936年生まれ)は東京藝術大学卒業後、広告代理店でイラストレーターとしてスタートし、広告関連の仕事に没頭した時期がありましたが、その後大病をきっかけに写実画家としての一歩を踏み出します。
作家のなかには、若い時代に文化庁の新進芸術家海外研修制度によりヨーロッパで学んだ人もいます。小尾修(1965年生まれ)は40代でパリへ留学し、レンブラントの自画像を模写したことにより、その後、作品の方向性や描き方に変化が表れたといいます。石黒賢一郎(1967年生まれ)はマドリードに留学し描いてこすって汚す「マンチャ」というデッサンの技法を習得、その後もスペインを軸に活動を続けています。塩谷亮(1975年生まれ)はフィレンツェに留学し、ルネサンス期のテンペラと油絵を研究しました。これからますます活躍する作家たちではありますが、それぞれの歩いてきた道を振り返り、若き頃と現在の作品を56点で、ご紹介いたします。貴重な若い頃の作品を数点、作家よりお借りして展示いたします。
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